原宿でリーズナブルに味わう、 ミシュラン星付きシェフのフランス・アルザス料理。
「外食の選択肢が少ない」との声も多かった原宿駅北東エリアに、2020年9月に開業したのが、食の商業施設「JINGUMAE COMICHI(ジングウマエコミチ)」だ。居酒屋やフレンチなどバラエティに富んだ全18軒、人気店や実力派シェフのプロデュース店も入るなど話題に事欠かないが、なかでも注目を集めるのが「ラ・コレール」。都内でも数少ないタルト・フランベ(フランス・アルザス地方のピッツア)の専門店で、ミシュラン星付きレストラン「オルグイユ」の加瀬史也シェフが手がけている。
修行でフランス・シャンパーニュ地方に滞在していた際、頻繁にアルザスに足を運び、タルト・フランベに慣れ親しんだという加瀬シェフ。「生地がクリスピーなので、小麦だけでなく、チーズや具材のベーコン、タマネギの風味もしっかり味わえます。気軽につまめるので、ワインのお供に最適なんです」。アルザスの気安い軽食を通して、フランスの食文化を再発見してほしいとも話す。料理はアラカルトが¥440(税込)から、ワインもグラス¥660(税込)からとカジュアルな価格帯。店内もカウンターメインで、入りやすい雰囲気だ。
リーズナブルでも、味づくりには加瀬シェフの緻密な計算が垣間見える。現地のタルト・フランベは生地にすべての具材をのせて一気に焼くが、加瀬シェフ流では、まず生地だけを焼き、そこにフロマージュブラン(フレッシュチーズ)を塗り、具材は炙って香ばしく仕上げる。「タスマニア・スモークサーモンと有明の生海苔のタルトフランベ」の海の幸のみずみずしい味わいは、それぞれの食材が適切な温度で加熱されているからこそ、生まれるものだ。同様に、「ベッコフ(アルザス風の蒸し煮料理)」の肉、野菜の力強い滋味も、最適な火入れの方法だからこそ実現する味わい。親しみやすい郷土料理を通して、フランス料理の“いま”を体感したい。
東京都渋谷区神宮前1-23-26 ジングウマエコミチ 2F
TEL:非公開
営業時間:11/15までは12時〜22時L.O. 11/16以降は12時〜21時30分L.O.(月、水~金) 11時30分~21時30分L.O.(土、日、祝)
定休日:月曜(祝日の場合は営業) 11/16以降は火曜