四季と風土に磨かれ、独自の進化で高い評価。ウイスキー五大聖地の代表銘柄:ジャパニーズウイスキー編
この記事では五大ウイスキーのひとつである、ジャパニーズウイスキーの代表的な7つの蒸溜所を紹介する。
ニッカウヰスキー 余市蒸溜所(北海道余市町)
スコットランドでウイスキー造りを学んだ竹鶴政孝が、自らの理想を実現するため1934年に創設した。スコットランドでも希少となった石炭直火焚き蒸溜をいまも行い、ピーティな香味を纏った力強いウイスキーを生んでいる。
ニッカウヰスキー 宮城峡蒸溜所(宮城県仙台市)
余市とは個性の異なるモルト原酒を造るため、1969年に創設。緑豊かな宮城峡の地に立つ蒸溜所では、銅製ポットスチルの他、1963年にスコットランドから当時の西宮工場へ導入後に移転された、カフェ式連続式蒸溜機も稼働している。
キリンディスティラリー 富士御殿場蒸溜所 静岡県御殿場市
富士山麓に立つこの蒸溜所は1973年の創業。銅製ポットスチルに加え、3種のグレーン蒸溜器をもち、多彩なウイスキー原酒を製造する。オリジナル酵母の使用や180ℓのバーボン樽による“小樽熟成”も同蒸溜所のこだわりだ。
マルス信州蒸溜所(長野県宮田村)
本坊酒造が山梨に創設した後、1985年に現在の地へ移転。駒ケ岳山麓の標高798mの地に立つ、日本で最も高地に位置する蒸溜所だ。19年の休止期間を経て2011年に再稼働。ポットスチルを設計した岩井喜一郎は若手時代の竹鶴政孝の上司にあたり、アルコール蒸溜の権威としても知られている。
サントリー白州蒸溜所 (山梨県白州町)
1973年に創設されたサントリー第2のモルトウイスキー蒸溜所。“森の蒸溜所”と称される通り、甲斐駒ヶ岳の麓に広がる広大な森の中に立ち、敷地内には天然水工場も併設される。山崎蒸溜所と同様、多彩な原酒を生む設備を揃えている。
サントリー 知多蒸溜所(愛知県知多市)
1973年に創業した、サントリーのブレンデッドを支えるグレーンウイスキーの製造拠点。巨大な4塔式の連続式蒸溜機で3タイプの原酒を造り分ける。2015年にはシングルグレーンウイスキー「知多」が発売され、ウイスキーファンから注目を集めた。
サントリー 山崎蒸溜所(大阪府島本町)
日本初の本格モルトウイスキー蒸溜所として、サントリー創業者の鳥井信治郎が1923年に創設。29年には国産第1号ウイスキー(通称『白札』)を誕生させた。天王山麓の山崎峡に位置し、木桶とステンレス製発酵槽の併用や、形状が異なる多様なポットスチルでの蒸溜により、多彩な原酒の造り分けを行うのが特徴だ。
この記事は、2019年 Pen 10/15号「いま飲むべき一本を探して、ウイスキーをめぐる旅。」特集よりPen編集部が再編集した記事です。商品の価格は掲載時のものとなります。