日本ワインで乾杯!We Love Japanese Wine!
尾鷲陽介・写真
main photograph by Yosuke Owashi
ブラン2015
いま、日本ではワイナリーがどんどん増えています。昨年は21軒、そして今年も10軒以上のワイナリーが産声を上げています。この10数年で増えた数は、なんと100軒以上にものぼります。
さらに、自分が育てたブドウのみでワインをつくっているワイナリーも20軒を超えました。こうしたワイナリーはフランスで「ドメーヌ」と呼ばれます。ところが日本では、この言葉が乱用される傾向が生まれています。かつては日本でも、「ドメーヌ」をワイナリー名に使うのは自社管理畑産100%のワイナリーだけでした。ドメーヌを名乗ることは、「私たちは畑でブドウを育てることに誇りを持ち、そのブドウだけでワインをつくる覚悟を決めています」というつくり手の意思表明だと思うのです。ところが最近は、自社管理畑を一切持っていなくとも「ドメーヌ」をワイナリー名として使うところが出てきています。果たしてこのままでよいのか、と疑問を感じざるを得ません。
今年、岡山県新見市に誕生した「ドメーヌ・テッタ」は、自社管理畑産100%という意味での「ドメーヌ」です。ワイナリーができる7年も前にこの地でブドウ栽培を始めています。
「ブラン」はそんなテッタの畑で育つブドウ20種類を一度に醸造してつくられたワインです(混醸といいます)。セミヨン、リースリングなど白ブドウに加えて、ピノ・ノワールという黒ブドウまで入っています。品種の味というより、土地の味を表したワインですね。
こんなにたくさんの種類の品種が入っているからか、色合いはやや黄色味が強いです。口の中での膨らみがあって飲みごたえもあります。ナッツ、モモなどいろいろな香りが現れては消え、飲み込んだあとに果実のおいしさが喉に長く残ります。思わず旨い!という言葉がついて出るほど。
「ひとつの品種でつくるのではなく、ブレンドするよさがあると思っています。でもブドウの段階から混ぜて、一緒に仕込みたい。そのほうが一体感が生まれます。これからも、テッタのブドウを詰め込んだワインがどんな味わいを醸し出してくれるのか楽しみにしています」とは栽培醸造を担当した片寄広朗さん。そう、このワインにはつくり手の誇りと覚悟が込められているのです。
ちなみに、2015年にはまだワイナリーが完成していなかったため、このブドウは長野県にある日本ワイン農業研究所「アルカンヴィーニュ」まで運ばれ、そこで委託され醸造されました。ただし、片寄さん自身も「アルカンヴィーニュ」まで出向いて、醸造に携わっています。
できれば常温で、3~4日間かけてお飲みくださいね!
ブラン2015
ワイナリー名/ドメーヌ・テッタ
ブドウ品種と産地/セミヨン、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、ケルナー、オーセロワ、ピノグリ、ピノブラン、甲州、マルベック、サンジョヴェーゼ、ネッビオーロ、ソーヴィニョン・ブラン、シュナン・ブラン、ピノタージュ、ピノ・ノワール、カベルネフラン、メルロ、シャルドネ(岡山県新見市哲多)
容量/750ml
価格/¥3,780
問い合わせ先/ドメーヌ・テッタ
TEL:0867-96-3658
http://tetta.jp/
連載「日本ワインで乾杯!」では毎回、ご紹介するワインを1名の方にプレゼントします。 第24回「ブラン2015」のご応募の締め切りは、2016年12月8日(木)まで。ふるってご応募ください。 ※当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。未成年者のご応募はできません。ご応募は日本在住の方に限ります。なお、伊豆諸島(大島・八丈島を除く)および小笠原村(小笠原諸島)への配送はできません。ご応募にあたっては、弊社メールマガジンへのご登録が必要です。