夜間の冷え込みと十分な日照量の賜物! 心震えるリースリ...

日本ワインで乾杯!We Love Japanese Wine!

#16|
鹿取みゆき・選&文
尾鷲陽介・写真
selection & text by Miyuki Katori
main photograph by Yosuke Owashi

プライベートリザーブ リースリング2014

つい最近、心が震えるほど感動するワインに出会いました。口に含むと、初めはやや冷たく金属的で硬質なのですが、少し経つと上品な花のような香りや高級ウーロン茶のような香りが広がってきます。トロッとしていて、後半の口の中での存在感、のびやかな酸とともに続く長い余韻は圧巻。まるで、何かを語りかけてくるような味わいです。

実はこのワインは、今年初めてリリースされるもの。長野県塩尻市にある桔梗ケ原(ききょうがはら)のワイナリー、Kidoワイナリーの城戸亜紀人さんが、6年前よりリースリングを育てており、2014年にようやくまとまった量が収穫できたのです。

リースリングはドイツを原産とするブドウで、世界的にも知られています。花のような香りと凛とした酸が醸し出す品格は、ほかの品種にはない魅力だと個人的には思っています。けれど、この品種でワインをつくるつくり手は日本ではほとんど見られません。リースリングは、涼しい気候で品種特有の香りや味わいが出るとされている一方で、十分な日照量がないと熟しにくいブドウです。ところが日本でブドウ栽培が行われている冷涼地は、北海道のように早くから積雪があるところが多く、日照量が十分に確保できないからなのです。

城戸さんの畑がある塩尻市は、9月、10月と晴天が続き、日照量が十分です。一方、10月の夜の気温は6℃、7℃と冷え込んできます。「この日照と冷え込みが、リースリングにはよかったのだと思っています」と城戸さんは話します。夜間の冷え込みのおかげで、糖度はぐんぐん上がり、酸度は保たれます。十分な厚みと、この品種らしい香りときれいな酸はこの気候の賜物だというわけです。

「まだ確信ではないけれど、リースリングこそ塩尻のよさがいちばん出る品種なのかもしれません」。まだまだ生産量は限定されていますが、こうした日本ワインが誕生したことに、驚きを禁じ得ません。

夜間の冷え込みと十分な日照量の賜物! 心震えるリースリングが長野県塩尻から登場しました。
城戸亜紀人さんは、自らが目指すワインをつくるべく、2004年にワイナリーを立ち上げました。いまの小規模ワイナリーの先駆け的な存在です。畑での仕事もきめ細やかですが、特に仕込みの工程では、新たなことに挑戦しつつも隅々まで気を使います。このリースリングはブドウを房のまま優しく搾り、その果汁を発酵させています。

プライベートリザーブ リースリング2014

ワイナリー名/Kidoワイナリー
ブドウ品種と産地/リースリング(長野県塩尻市)
容量/750ml価格/¥3,996
問い合わせ先/Kidoワイナリー
http://www6.plala.or.jp/kidowinery


プレゼント

連載「日本ワインで乾杯!」では毎回、ご紹介するワインを1名の方にプレゼントします。 第16回「プライベートリザーブ リースリング2014 」のご応募の締め切りは、2016年8月11日(木)まで。ふるってご応募ください。  ※当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。未成年者のご応募はできません。ご応募は日本在住の方に限ります。なお、伊豆諸島(大島・八丈島を除く)および小笠原村(小笠原諸島)への配送はできません。ご応募にあたっては、弊社メールマガジンへのご登録が必要です。

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