果実の味がダイレクトに伝わる、マスカット・ベーリーAが...

日本ワインで乾杯!We Love Japanese Wine!

#11|
鹿取みゆき・選&文
尾鷲陽介・写真 
selection & text by Miyuki Katori
main photograph by Yosuke Owashi

シャンテY.A ますかっと・べーりーA Plus

マスカット・ベーリーAというブドウを知っていますか?日本のなかでは甲州ブドウに次いで、ワインに仕込まれている量が多い品種です。赤ワインではもっとも多く造られているのが、この品種のワインになります。

マスカット・ベーリーAは、川上善兵衞という人が、昭和の初期に日本の気候に適したブドウを求めて、ヨーロッパ系の種とアメリカ系の種を交配して作った品種です(じつは彼の苦労は並々ならぬものがあったのですが、それはまた別の機会に‥‥)。アメリカ系の流れを引くために、ワインは独特の香りを持っています。

 やや甘さを感じるこの香りは、じつは好き嫌いが分かれます。山梨県のワイナリー、ダイヤモンド酒造の雨宮吉男さんの場合は、後者でした。

「フランスでの修業が終わり、帰国してマスカット・ベーリーAのワインを飲んだとき、どうも好きになれませんでした。でもまずは、自分がブルゴーニュで学んできたように造ってみようと思いました」と吉男さん。

吉男さんがブルゴーニュで仕込んでいたのはピノ・ノワール。彼が愛してやまなかった品種です。十分に熟させて、ピノ・ノワールと同じように、一部果梗もいれて、はじめは低温でゆっくりと醸し出し、そして十分に果実分を抽出して、赤ワインに仕上げたのです。

はたしてワインには、いままでのこの品種にはなかった品格が生まれました。口にすると、まるで目の前がぱっと明るくなったような、きれいな明るい果実感。そして愛らしくも上品なフレーバー。軽やかでありながら、ぐんぐんとアピールしてくる味わい。

これからの季節、少しだけ冷やして、日差しのもとでも楽しむのもいいですね。マスカット・ベーリーA嫌いをあっと言わせるに違いありません。

果実の味がダイレクトに伝わる、マスカット・ベーリーAがすごい!
雨宮吉男さんは、まるでマスカット・ベーリーAの伝道者のような人です。彼の造るマスカット・ベーリーAのワインは基本的には5アイテムですが、ワインの本場、フランス人でさえ、彼のワインを飲むと驚きます。それにもかかわらず、吉男さんは、こうした日本ワインを普及していくのには、価格が重要と考えて、このワインの価格も、2000円ぴったりに抑えています。

シャンテY.A ますかっと・べーりーA Plus

ワイナリー名/ダイヤモンド酒造

ブドウ品種と産地/マスカット・ベーリーA(山梨県韮崎市穂坂町 )
容量/750ml
価格/¥2,000
問い合わせ先/ダイヤモンド酒造
TEL:0553-44-0129
http://www.jade.dti.ne.jp/~chanter/

プレゼント

新連載「日本ワインで乾杯!」のスタートを記念して、毎回、ご紹介するワインを1名の方にプレゼントします。 第11回「シャンテY.A ますかっと・べーりーA Plus」のご応募の締め切りは、2016年5月26日(木)まで。ふるってご応募ください。  ※当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。未成年者のご応募はできません。ご応募は日本在住の方に限ります。なお、伊豆諸島(大島・八丈島を除く)および小笠原村(小笠原諸島)への配送はできません。ご応募にあたっては、弊社メールマガジンへのご登録が必要です。

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