特別な日こそやっぱり魚! 匠の技が冴えわたる魚介料理の店9選。
日本酒を片手に味わう、分厚い赤身の酸味と脂。
絵に描いたような赤提灯の店。誰も、こんな美味いマグロが出るとは思うまい。仕入れ先は銀座の数々の高級寿司店と同じところ。その社長が「うちのマグロが最も安く食べられるのはここ」とプライベートで訪れる。本マグロのどっしりとした旨味は、寒さとともに深まる。赤身の口に広がる酸味と、それを包む冬ならではのきめ細かい脂のバランスが頂点を極める。
一方で、メバチマグロもピークを迎え、負けてはいない。「とりいち」で食べるメバチは、これがメバチかと思わせる力強さがあり、脂ののりも文句なし。しかし後味は本マグロよりスッキリしており、軽やかさも備えている。取材時の本マグロは大間産。日本酒片手に、分厚い切り身を食べる幸せを噛み締めたい。
●とりいち
東京都品川区西大井2-17-18 TEL:03-3777-5013
営業時間:17時~22時30分頃L.O.
定休日:日(月1~2回、不定休あり)
酢飯とワサビと日本酒、その三位一体で輝くマグロ
包丁を入れた最後に、クッと、コバを立ててマグロを切りつける。寿司屋ならではのやり方で、煮切り醤油が下に流れるのを防ぐ意味があるという。味の濃いマグロならではの切り方だ。
そのマグロを、「鮨 在」では酢飯を多めに温度も高めにして握る。トロにはワサビを多めに。濃厚な旨味と脂ののったマグロを、よりおいしく食べてもらうための技だ。酢飯と一体となるきめ細かくやわらかなマグロを選りすぐり、アルコールとのペアリングでは、マグロ独自の酸味とシンクロさせるべく、同じく酸味のある日本酒を選ぶ。赤身には常温で、トロなら同じ酒を燗に。そんな細やかなもてなしで、マグロはさらに昇華する。
●鮨在
東京都渋谷区広尾5-3-13 Barbizon86 5F TEL:03-3446-1134
営業時間:12時~14時(2020年1月から土曜のみオープン)、17時30分~23時
定休日:日