「料理界のワールドカップ」で日本人シェフが魚料理賞を受賞。

「料理界のワールドカップ」で日本人シェフが魚料理賞を受賞。

高山英紀シェフ。

巨匠ポール・ボキューズ氏の呼びかけで1987年にスタートした「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」は、フランス料理界で最も権威のある料理大会。2年に一度フランスのリヨンで開催されて、若手シェフの登竜門と目される大会です。前回は星野リゾート(軽井沢ホテルブレストンコート)の浜田統之シェフが3位に入賞すると共に、魚料理の世界最高得点を獲得し、世界の注目を集めました。

第15回目を迎える2015年度の日本代表として出場したのは、兵庫県「メゾン・ド・ジル芦屋」の高山英紀料理長(37歳)。今回は1位のノルウェー以下、アメリカ、スウェーデン、フィンランドに続く第5位に入賞し、同時に魚料理特別賞を受賞しました。

コンクールの課題は、毎回5時間半の制限時間内に、指定食材を使って肉料理、魚料理を各1種類と付け合わせ3種類を調理し、審査員14人分を完成させること。今回の大会では、前日に挑戦者たちに明かされる「秘密の食材」を使用するというルールも新たに課せられ、料理人としての発想の豊かさと独創性が試されました。

審査員達に高く評価された高山シェフの魚料理は、指定食材の「鱒」と、鱒を最大限に引き出す野菜とともに、直前に明かされた指定食材「ウイキョウ」を使い、フランス料理と和のテクニックで表現したもの。その一皿には、「リンゴとウイキョウの乾燥野菜をまとったマスの低温調理ライム風味」と、「マルシェの野菜を使ったミルクレープ寿司」「青りんごと生姜のコンディマン 柚子風味」「セップ茸のボンボン」「ベルベーヌとレモングラスのブールブランソース」が盛り合わせられました。

5位という結果については、「口惜しいけれど、力不足でした」と、高山シェフ。「コンクールと同じモチベーションで日々のレストランの営業に挑めば、違った結果があるかもしれない。怖いけれど、また挑戦したい」とガッツを見せました。

「メゾン・ド・ジル芦屋」は、高山シェフが修業したフランス・ルーアンにある2ツ星レストランの日本支店で、2012年より3年連続で「ミシュランガイド 京都 神戸 奈良」の1ツ星を獲得。フランス料理ファンは、今後注目したい一軒です。(小松めぐみ)  

試食する14名の審査員たちは、名だたるシェフばかり。


大会は全て観客席の目の前で行われ、世界中の若いシェフ達が調理ブースで料理を競い、ガストロノミー界のスター14人のシェフが審査を行った。

「料理界のワールドカップ」で日本人シェフが魚料理賞を受賞。