“自然体のサステイナビリティ”を実践するオーガニックレストラン「ザ・ブラインド・ドンキー」の挑戦とは。
国連で16歳の少女が環境への責任を問うスピーチの記憶はまだ鮮明だろう。どんなビジネスであっても、もはや「サステイナブル(持続可能)」な社会へのビジョン抜きに未来を語ることはできない。
料理のおいしさもさることながら、自然体のサステイナビリティを実践することで知られるレストランが東京・神田にある。彼らは食の未来をどう考えているのか。
長い間、レストランの料理は料理人のためのものだった。自身の表現のために素材を選び、技術のために素材を使うクリエイション。だが、神田のレストラン「ザ・ブラインド・ドンキー」の考え方はまったく違う。
「皿の上の50%は生産者の仕事。料理人と生産者は、料理を共有する」
つまり素材のために料理技術があり、料理人が存在する。彼らにとっての表現は、メッセージでもある。
先の台詞を述べたザ・ブラインド・ドンキーのシェフ、ジェローム・ワーグさんは、米カリフォルニアの「シェ・パニース」で総料理長を務めた人。1970年代から既に「自分たちの食べるものが、どこで、誰によって、どうつくられているのかを知る」という思想を掲げていたレストランだ。