カカオ豆から板チョコにするまで一貫して手がける「ビーン・トゥ・バー」のスタイルが広がるなか、次に注目されているのは、自分たちで育てたカカオでチョコレートづくりを行う「ツリー・トゥ・バー」。台湾最南端の屏東（ピンドン）で実践する「福灣巧克力」（フーワンチョコレート）はその代表格で、昨年11月に開催された国際コンクール「インターナショナルチョコレートアワード（ICA）」の世界大会にて、ダークチョコレート部門のグランプリを受賞した。ブランド創立者でありチョコレート鑑定士の国際的資格を有する許華仁（シュー・ファーレン）によれば、熱帯フルーツやバニラのような香りを纏うという台湾カカオ。その独特の風味は唯一無二だ。

ローワーイーストサイドにあるエセックス・クロッシング内に、大規模な地下マーケットがオープンした。
もともとこのエリアは、ニューヨークの港から入植した移民が多く暮らしていた場所で、移民の街として知られる。そんな地域の特色を反映し、市場のショップもバラエティに富んでいる。ドイツ発の精肉店、ウクライナ料理店、中華街の人気店に、圧巻の品揃えのクラフトビールバーなど、約30がおよそ3ブロックにわたって出店。2021年にはギャラリーやライブスペースなどが加わり、約1万4000㎡の広さを誇るニューヨーク最大のマーケットになる予定だ。一度に食の世界旅行が楽しめる市場で、食い倒れ旅行もいいかも!?

パレ・ドゥ・ラ・ポルト・ドレは1931年築のアール・デコ様式の建物。クリスチャン・ルブタンが幼少期から親しんだというこの空間で、ユニークな展覧会『L'Exhibition[niste]』（レギジビジヨニスト）が開催中だ。「回顧展ではない、セレブレーション」とルブタン自身が語るように、展示には彼単独の作品以外に、職人やアーティストとのコラボレーションも登場する。フランス有数のステンドグラスやセビリアの彫金の工房などと協働した会場で、デヴィッド・リンチとの共作『フェティッシュ』も展示。彼の創造力を刺激するオブジェやアートを集めた「空想美術館」や、アトリエの紹介も。まさにクリエイターの脳内を訪問している気分になれる展覧会だ。

市内南部にある見本市会場RAIの隣に、人目を引く超大型ホテル「nhow」（ヌホウ）がオープン。周辺の街並みもがらりと一新した。設計を手がけたのは、レム・コールハース率いるOMA。25階建て650室というサイズは、近年の新築ホテルとしてはベネルクスで最大規模。鋭角を強調したモダンな外観とは対照的に、その内側は非常にカラフル。オリエンタル調のインテリアやアートが空間を彩る。
実は、市当局は近年観光客の急増に悩んでおり、混雑緩和に向けたオーバーツーリズム対策の一環として、2017年からホテルの新規建設を禁止。このホテルは条例導入前に建設が決定していたため工事が進められたが、完成を見る市民の受け止め方はさまざまだ。

2022年に北京で開催される冬季オリンピック。屋外競技のメイン会場となる張家口（チャンジャコウ）と北京を結ぶ高速鉄道が、昨年末についに開通した。最速47分で自然豊かなエリアに到着できることになり、週末の過ごし方に変化が生まれている。なかでもウィンタースポーツがトレンド。張家口周辺には「太子城氷雪小鎮」（タイズチョンビンシュエシャオジェン）など多くのリゾート村が建設され、欧米風ロッジに泊まりスキーを楽しむ人が増えている。人工雪が導入され、春先まで長く楽しめるのもポイントだ。これまでごく一部の人向けだったウィンタースポーツの裾野が広がり、北京市内には専門ショップも出現。五輪に向け、盛り上がりが注目される。