四季折々の一年のなかで、最も日本の服飾文化を意識するのが夏でしょう。花火大会の時期ともなると、目にもまぶしい浴衣姿の女性が増えてきます。彼女らの装いをリスペクトする意味でも、男性も足元くらいは和の装いをしてはいかがでしょうか。そこでお薦めしたいのが、京都・祇園の老舗履物匠「ない藤」が手がけるブランド、「ジョジョ」。雪駄の顔をもつサンダルで、日本古来の履物から着想を得て、指先に体重を乗せしっかりと歩ける仕様になっています。親指と人差し指でつかむ「前ツボ」の素材は、哺乳瓶に使われる特殊なゴム。足裏は汗を吸うコルクで、アウトソールはタイヤにも利用される頑丈なSBR素材です。普段着の足元をスニーカーや革靴からこれに変え、日本の夏を存分に謳歌しましょう！

　いまも昔も、ファッションと音楽は切っても切れない関係です。「ステラ マッカートニー メンズウェア」が発表した「オール トゥギャザー ナウ」コレクションは、1968年製作のビートルズ初のアニメ映画『イエロー・サブマリン』からインスピレーションを得ています。ステラ自身も「最近、デジタル版を見て圧倒されました。そして人々をひとつにする“together”というアイデアはまさにいまあるべきメッセージと感じたんです」と語ります。ここで紹介するのはシャツです。英国らしいストライプ素材にビートルズのメンバーがポップアート風に描かれています。袖と胸には彼らの歌詞をモチーフにした「LOVE LOVE LOVE」などのメッセージが入ります。彼らの名曲や名画を身に着けることで楽しめる一枚なのです。

前身頃にはジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ、リンゴ・スターの３人、背中のヨーク部分には中央にジョージ・ハリスンが登場します。どのイラストレーションもポップアート風です。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』が記録的なヒットとなり、伝説的なロックミュージシャンが再び脚光を浴びています。そこで注目したのは、70年代から90年代に活躍したレジェンドが一堂に集結した豪華な一枚です。70年代風のタイダイのTシャツをデザインしたのは2018年にデビューした「ミヤギヒデタカ」。デザイナーは自身のブランド以外にもさまざまなブランドに関わる宮城秀貴。ユーズドのボディを用い、胸にフレディ・マーキューリー、レディー・ガガ、ボブ・ディラン、カート・コバーンなどのロックレジェンドたちが並ぶ姿がプリントされています。レジェンドたちを描いたのはイラストレーターのKURRY。これからの野外の夏フェスなどで、ムードを高めるアイテムとしてもお薦めです。

ポケット付きの雨蓋フラップを被せた、長方形のバックパック。シルエットもディテールもベースはアウトドア用バッグで、仕上がりは実に都会的です。くったりと背中に馴染むようにパッドが省かれ、あたかもチープなバッグのごとき味わいまで付け足されています。イタリアのラグジュアリーブランド「マルニ」によるこのアイテムは、さまざまなバックパックの魅力を巧みにミックスし、洗練させたデザイン。グラフィカルなブロック配色は、まさしくマルニのセンスを物語る色使い。光沢のあるナイロン、黒とシルバーの金具、マットな革パーツにも確かな品格が感じられます。バックパックの流行が続く現在、どんな服装にも華を添えデイリーに使いやすいこのモデルこそ、新たに手に入れる価値がある逸品です。

足元はスニーカー、手にはスポーツバッグ。この黄金コンビの人気は、2020年代を目前にした現在もますます加速しています。仕事の場にもバッグのカジュアル化が広がるようになりました。そこで上質を知る大人がいまこそ使いたいのが、ラグジュアリーな風格のあるスポーツバッグです。ここに紹介するのは、イタリアの「ボッテガ・ヴェネタ」の最新トート。相応に高価ですが、素材やディテールのクオリティは申し分ありません。袋状の長いトップを、自由に折り曲げて使います。写真は外側に畳んだ状態で、内側のイエローを表に出してデザインアクセントにしたもの。ヘルメットバッグに似たこのバッグは、やわらかくクッション性があり大容量なのも自慢。夏の旅行でも活躍する実用的な逸品です。