写真:宇田川 淳
Vol.63 かりゆしウェア? いえ、「沖縄アロハシャツ」です!
今回ご紹介するのは、深いブルーの色合いがただ者でない迫力のシャツ。民族的な味わいと都会的なクールさが一体になった個性派です。日本の沖縄で染められて縫製されたシャツと聞くと、ピンとくるのが「かりゆしウェア」でしょう。
沖縄の正装でもあるかりゆしウェアは、トロピカルなプリント模様のシャツ。かりゆしとは方言で、「めでたいこと」や「縁起の良いこと」を指します。1970年からつくられている沖縄のシャツがこの名称で呼ばれ始めたのは1990年のこと。2000年7月の各国の首脳が集まる沖縄サミットを機に、同年6月に改めて同様のシャツが「かりゆしウェア」の名で統一されました。詳しくは内閣府のホームページをご覧ください。www8.cao.go.jp/okinawa/kariyushi/index.html
かりゆしウェアを名乗れる条件は、「沖縄産であること」「沖縄らしいデザインであること」。琉球絣のような伝統工芸、シーサーやゴーヤといった沖縄らしい柄模様が必須です。つまりかりゆしウェアは、観光をアピールするツールなのです。ここに掲載しているシャツブランドの「パイカジ」は、かりゆしウェアの企画・販売も行っているシャツメーカーの「ジュネ」が手掛ける別ブランド。彼らはパイカジでより自由度の高いデザインを行っています。そのラインアップの中でも染織家とともにつくり上げたスペシャルなラインが、掲載の「パイカジ ブルー」です。
製造は福島県を拠点にする日本有数のシャツ工場「リオ・ビアンコ」の沖縄工場にて。ドレスシャツの技術を取り入れたハイクオリティなつくりです。パイカジ ブルーの特徴は、琉球藍で製品染めされていること。柄シャツをさらに染め上げることで色が重なり独特の風合いに仕上がっています。ドレスパンツにも合わせやすく、色気さえ漂うこのシャツは、盛夏から晩夏にぴったりな大人の装いです。