【実力派ショップを巡る、東京古着案内】Vol.4 その道一筋に、マニア集う。
東京古着の最前線といえる、群雄ひしめく実力派の古着屋を全6回に分けてご紹介。第4回は、ひとつのジャンルを突き詰めたこだわりの古着屋に注目。ここに行けば、普段お目にかかれない“お宝”が待っている。
1.カウンシル フラット ワン(原宿)──スタイリスト馬場圭介が営む、イギリスものの宝庫。
2.ウェーバー ──激レアTシャツに出合える、ノマドな古着屋。
東京古着の最前線といえる、群雄ひしめく実力派の古着屋を全6回に分けてご紹介。第4回は、ひとつのジャンルを突き詰めたこだわりの古着屋に注目。ここに行けば、普段お目にかかれない“お宝”が待っている。
1.カウンシル フラット ワン(原宿)──スタイリスト馬場圭介が営む、イギリスものの宝庫。
2.ウェーバー ──激レアTシャツに出合える、ノマドな古着屋。
生粋の英国好きとして知られるスタイリストの馬場圭介が、2018年5月に満を持して自身のショップをオープンさせた。当然店内は隅から隅までUK一色。彼のDNA であるスキンズカルチャーを軸に、その後を彩った80~90年代カルチャーも見逃さない辺りが、いかにも玄人らしいセレクトだ。マンチェスターやエジンバラ、グラスゴーの片田舎まで足を運んで買い付け。ルイスレザーのライダースにUKミリタリーといった武骨な定番ものと、フットボールジャージなどのスポーツアイテムが豊富だ。店内奥に置かれたワッペンやバッジもすべてがUK製と抜かりない。千駄ヶ谷の裏路地にありながら、そこに一歩足を踏み込めば、まるでイギリスにいるかのような錯覚を覚えるだろう。
【関連記事】「東京古着日和」の音声メディアがスタート
カウンシル フラット ワン
東京都渋谷区神宮前2-23-1
TEL:03-6807-0812
営業時間:12時~19時(月~土)12時~18時(日)
不定休
実店舗はもたず、不定期でポップアップのみを開催するノマドな古着屋「ウェーバー」。開催時には、早い時でオープン数時間前から行列ができる様子に、Tシャツ愛好家たちの熱狂ぶりがうかがえるだろう。普段はお目にかかることすら叶わないブルース・ウェーバーのオリジナルフォトTを筆頭に、音楽、映画関連のレアなカルチャーTが一堂に会するラインアップは、まさに博物館級といえる。なかには7桁の値札が付けられたお宝も存在するが、初心者でも手に取りやすいプライスのTシャツも用意されているのでご安心を。開催告知と販売されるアイテムはおもにインスタグラムでアップされるので、まずはいますぐ彼らのアカウントをフォローすべし!
【関連記事】東京古着日和のYouTubeアカウントを開設
ここ数年でひとつのジャンルとして確立されたデザイナーズ・アーカイブ。なかでも「キスメット」が注力しているのは、80~90年代のドメスティックブランドだ。コムデギャルソンにイッセイミヤケ、ヨウジヤマモト、はたまたマイナーなDCブランドまで。一過性の流行で買い付けるのではなく、オーナー自身が実際に身に着けてきたブランドと年代に絞るからこそ、モノとしての価値を的確に見抜き、高騰を続けるこのジャンルにおいても適正価格で提供することが可能となる。とはいえ全体の2割ほどはインポートものも扱っていて、エルメスやメゾンマルタンマルジェラをはじめとする、デザイナーズ・アーカイブの世界に触れるには最適な人気銘柄が並ぶ点も見逃せない。
キスメット
東京都杉並区高円寺南3-56-1 藤和高円寺コープ101
TEL:03-6383-2029
営業時間:13時~20時
不定休
http://kissmet.theshop.jp
店内に入った途端目に飛び込んでくる、天井と壁一面を埋め尽くす膨大なバッグが、訪れた者すべてを圧倒する「バックストリート」。よくよく見るとどれもが1990年代以前のメイド・イン・USAもの。「パタゴニアのタグに®マークが」「グレゴリーのブランドネームが青文字で」と、わかる人にしかわからない違いがマニアにとってはたまらない。素材や微妙なつくりの違いから生じる佇まいは、誰が見ても確実に新品のそれとは異なる。ショップの売りは90年代のアメリカ製ギアだが、他にも70年代のいわゆるヴィンテージから現地のアウトドア用品店のオリジナルグッズまでと、アウトドアジャンルを完全網羅。わざわざ都外から来店する人が多いのも納得だ。
バックストリート
東京都町田市中町1-17-4 町田中町第一ビル2F
TEL:042-720-0355
営業時間:13時~20時
不定休
http://backstreetstore.jp
●掲載した商品はいずれも古着のため、完売している場合がございます。
●新型コロナウイルス感染防止など諸事情により、ショップの営業日時、内容、サービスの変更が急遽行われる場合がございます。その都度確認してください。
2019年に発表されたオーデマ ピゲの新コレクション「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」が高い人気を背景に快進撃を続けている。バリエーションがますます多彩になるだけでなく、ストラップも充実。腕元をより個性的に演出できるようになった。
ダイヤルの顔つきはオーソドックスだが、少し傾けるだけで独創的なサイドビューが目を惹く。立体物である腕時計は、真正面だけでなく、手首に巻いてやや斜めから見た状態が最も美しく見えるようにデザインされているが、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」は最新の高度な工業技術を惜しみなく導入することで、21世紀にふさわしい新たなエレガンスを創造したと評しても決して過言ではないはずだ。
1993年の「ロイヤル オーク オフショア」からおよそ四半世紀ぶり。まさに"満を持して"という言葉を体現するかのように2019年に発表された新コレクションは、ネーミングから異色だった。伝統と革新の調和を意味する4つのワード(Challenge: 挑戦 Own: 継承 Dare: 追求心 Evolve: 進化)を「CODE」として集約。「11.59」とは、新たな1日が始まるまであと1分の高揚感と期待が込められている。最後にブランド名を加えたのは、当時でも144年の伝統を誇る老舗マニュファクチュール自身が、このコレクションによって「新たな1日」を迎えるというメッセージではないだろうか。
いずれにしても、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の際立った特徴は、軽快でモダンな印象を与える革新的なケースにある。ベルトとの接合部であるラグは大胆な中空構造になっており、上部は極薄のベゼルに注意深く溶接されている。その一方で、下部はメンテナンス時などに着脱できるよう裏蓋に薄紙1枚程度の隙間で密着。これだけでも最先端の技術力がなければ不可能だったという。8角形のミドルケースもサイドビューを印象的にしているが、こうしたハイレベルな基本構造が多彩なバラエティを生み出すベースになっている。また、ダブルカーブとも呼ばれるサファイアクリスタルの風防も宝飾品のような煌めきを感じさせる。
新コレクションにもかかわらず、発表当初から自動巻き3針、クロノグラフだけでなく、超複雑機構といわれるトゥールビヨンもラインアップ。老舗マニュファクチュールの底力を発揮したが、翌年には深紅のバーガンディやバープルなど5色の斬新なカラーダイヤルを追加して、嬉しい驚きをもたらした。ただし、平板な色味ではなく、深みのある上品なラッカー仕上げ。2019年のモデルと同様に8層を塗り重ねることで、美しい色彩を実現している。
そして、前述したミドルケースの多様化が、絶えざる自己革新の表明といえるだろう。2020年に発表されたモデルは、ベゼル・ラグと裏蓋は18Kホワイトゴールドだが、ミドルケースは18Kピンクゴールド。色違いなので構造がわかりやすいだけでなく、これほど個性的でスタイリッシュなラグジュアリー感は他にないのではないだろうか。このミドルケースに、新たな素材としてセラミックを採用したのが2021年の最新作だ。
「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の際立った特徴は、中空に造形されたラグが8角形のミドルケースを上下から挟み込むダイナミックな構造にある。このため別素材の組み合わせが可能となり、2020年に色違いのゴールドをコンビネーションしたモデルを追加。そして2021年の新作では、クロノグラフのミドルケースにブラックセラミックが採用された。
セラミックは表面硬度が極めて高く、傷がつきにくいという特性があることから、一般的には外部と接触するベゼルなどに使用される素材だ。これをミドルケースに使用するケースは珍しいが、金属とは異なった質感が加わることで、新しい雰囲気が生まれたといっていい。だからといって手を抜くわけではなく、原料の酸化ジルコニウムを特殊な方法でさらに強化。高硬度で焼結したセラミックをダイヤモンドツールで加工後に、熟練職人が手作業で磨き上げている。こうした綿密な工程が高品質につながるのである。
ケースバックから見られるクロノグラフのムーブメントも、自社開発の「キャリバー4401」を搭載。ベースムーブメントにクロノ機構を載せるモジュールスタイルではなく、ゼロから設計する一体型。複雑時計を得意とする屈指のマニュファクチュール、オーデマ ピゲの意欲が漲る最新鋭のクロノグラフ専用ムーブメントだ。コラムホイール式の垂直クラッチなので、プッシュボタンは軽快で針飛びの怖れもない。計測途中でも瞬時にリスタートできるフライバック機構も備えている。特許取得のゼロリセットメカニズムで、すべての指針がぴたりとゼロ位置に戻るのも心地よく感じる。
ブラックセラミックのモデルは、18Kホワイトゴールドと18Kピンクゴールドの2タイプ。どらちもダイヤルはヘアライン加工のスモークグレーなので、ベゼルとラグのラインが美しく映える。洗練された造形美が、セラミックという異素材でさらにアップグレードしたといえるだろう。
それだけなく、オーデマ ピゲブティックの2Fにあるカスタマーサービスではストラップを数多くラインアップした専用サロンを新設。多彩なカラーバリエーションはもちろん、アリゲーターやカーフ、ラバーなどの素材も豊富に揃えている。来店する時間的余裕がない場合は、ストラップ交換を全国どこからでも配送無料で受け付けてくれる。汗じみや傷みなどによる単純な交換に限らず、ストラップを別のタイプにするだけで腕時計全体の印象が大きく変わるので、より個性的な組み合わせにチャレンジできる。
また、オーデマ ピゲ カスタマーサービスでは最新のVRシステムを活用し、スイスのル・ブラッシュにある本社工房での腕時計づくりを、日本に居ながら体験できるサービスを開始した。「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」を組み上げていく各種作業を疑似体験できる。製作工程でさまざまな開発秘話なども特別に披露されるので、興味のある人はぜひ利用していただきたい。腕時計を持つ喜びや楽しみがさらに深まるはずだ。