ショーン・コネリーのように艶っぽく着る、華やかな大人のフォーマルウェア
文:小暮昌弘(LOST & FOUND) 写真:宇田川 淳 スタイリング:井藤成一第4回 「KNOX & TAILOR×ジョンロブ」のフォーマルシューズ
男子服の王者は何といってもイブニング・テール・コート(夜会燕尾服)である。これを着ると男たちは最も華麗な姿になる——と著書の中で書いたのは英国王室御用達のデザイナーであり、著述家のハーディ・エイミスです。燕尾服を着用する機会はなかなかありませんが、タキシードなどのフォーマルスタイルはいまでもメンズウエアの華と言えます。それを最も艶っぽく着こなしたのは、イアン・フレミングが創造した英国諜報員を演じたショーン・コネリーかもしれません。正式な催しに出席するのにはフォーマルスタイルのルーツがあるものです。「ブラックタイでお越しください」と書かれた招待状が届いたら、それはタキシードで出席しなければなりません。カジュアルなパーティでは趣向を凝らしたスタイルも楽しめますが、正式なパーティに出席しなければならない場面も必ずあるはずです。フォーマルウエアのドレスコードは知っていて損なことはないはずです。その歴史や謂れを辿りながら、フォーマルウエアについて勉強してみましょう。第4回はジョンロブが青山のフォーマルウエア専門店のKNOX & TAILORと組んでリリースした、エネメル素材のフォーマルシューズです。
言うまでもないことですが、フォーマルスタイルにはフォーマルシューズが必要です。しかも昼と夜で選ぶべき靴が違うので注意するべきでしょう。昼の場合は、カーフ素材の靴を選ぶべきです。カーフ素材のオックスフォードシューズ(紐靴)ならばモーニングからディレクターズスーツ、タキシードまで着用することができます。
夜になると靴は光沢あるエナメル素材の靴がフォーマルスタイルに華を添えるでしょう。オペラパンプスと呼ばれるリボン付きのスリッポンやつま先に何も装飾が入っていないオックスフォードシューズが最適です。
今回紹介するのは、英国で1866年に創業された「ジョンロブ」が青山のフォーマルウエア専門店の「KNOX & TAILOR」と組んでリリースしたエネメル素材のフォーマルシューズです。プレーントウは、同ブランドの人気靴である「SEATON」をベースにしたもので、縫い目のないホールカットのデザインがエレガントさを奏でます。一方、スリッポンは「ELM」をベースにしたもので、流れるようなロングノーズのデザインがフォーマルシューズならでは。どちらもプレステージラインの一足で、木型は人気の#7000が採用されています。
ジョンロブは1866年に創業された老舗です。王室や多くの貴族たちに愛用されてきた名靴で、フォーマルシューズのツボを押さえながらも現代的なセンスが融合されたデザイン。タキシードなどの正式なフォーマルスタイルにはもちろんですが、カジュアルなパーティの足元に華やかに見せる靴としても最適ではないでしょか。どちらのシーンにおいても、ショーン・コネリーを思わせる、艶っぽいスタイルが完成するというわけです。
問い合わせ先/KNOX & TAILOR :TEL.03-6805-1739 www.knoxandtaylor.com/