写真:加藤佳男
Vol.83 服好きがたどりつく “渋い” 大人ブランド「ユーゲン」を、新定番ワードローブに。
年代物のシャルベのシャツやエルメスの革服に心が躍る人がいます。そのような人はたいてい、クラシックなイギリスやアメリカのミリタリーウエアにも夢中になるものです。こうした服好きの男性を唸らせる実力派ブランドが、2019年秋冬に誕生しました。今回ご紹介する、日本の「ユーゲン」です。
ブランド名は言葉の「幽玄」から命名されました。「日本人のもつ“ 奥深くて、はかり知れない美 ”を追求し、“伝統”と“いま”の狭間を探ります」(コンセプト文より抜粋)と語られています。形やディテールはヴィンテージにインスパイアされ、どの服も長年着続けられる仕上がり。あたかも明治・大正の伊達男のような渋い佇まいが大きな個性です。自己主張が控えめのベーシックであり、多様な服を着てきた大人がいま望むワードローブといえるでしょう。
上写真の2着はともに、ユーゲンを代表するアイテム。右のシャツはヴィンテージのイギリス軍シャツがモチーフで、襟がデタッチャブル式。別売りの襟を付け替えたり、汚れた襟だけを外して洗濯することも可能。襟をつけずにバンドカラーだけで着れば、流行のシャツとして活用できます。
左のコートもユーゲンのシンボル的なアイテム。ゆったりとした裾広がりのAラインで、肩幅は狭いなで肩、アームホールやアーム幅はたっぷりと。大正時代に着物の上に着た、和洋折衷のインパネコート(インバネスコート)を思い起こさせる、日本人によく似合う一着です。