軍モノを超えるタフな黒のギアで、身体も心もプロテクトしたい。
構成、文:高橋一史
写真:宇田川 淳

Vol.71 軍モノを超えるタフな黒のギアで、身体も心もプロテクトしたい。

MOUT RECON TAILOR

前回のファッション連載「着る/知る」Vol.70では、この冬の注目スタイルとして「貴族的エレガンス」にフォーカスしました。ところが今回のVol.71は、真逆といえるハードなギアです。いつの時代でもオトコはやっぱりギアが好きなもの。ミリタリー、ワーク、ユニフォームの三本柱への憧れは、いい大人になっても止むことがありません。「これは!」と思えるアイテムに出会ったなら、皆さんにお伝えせずにはいられないのです。

その注目株の名は、「マウト リーコン テイラー」。本物感を漂わせつつスタイリッシュな、2017年に発足したニッポンブランドです。イメージのベースは、アメリカ軍の特殊部隊。色彩を黒に絞り込み、都市風景にフィットさせています。ファッションに応用される軍モノは一般的に、1960年代前後までの時代のものが主流です。一方でマウト リーコン テーラーが着目したのは、現行のタクティカル装備品。ハイテク化が進んだ中で、「ミルスペック(ミリタリー準拠)」を満たす品質の新しい生地やパーツが使われています。軍の納入業者から仕入れるなど舌を巻くこだわり具合です。

上写真左のニットグローブは、頑丈な「コーデュラコンバットウール糸」で編まれたもの。インナーには保温性の高いファーフリースが配されています。中央の折畳式メガネは、世界的に有名な鯖江市の工場製。合弁会社「ニコン・エシロール」の、屋外で色が濃くなる特殊レンズを採用しました。メガネの下はネックォーマーで、これもグローブと同じウール糸が使われ内側はファーフリース。ドローコードを絞ると帽子にもなり、コード周りのパーツはアメリカ軍納入メーカーのもの。なお、ベルトとブーツについては後述します。

くしくも近年は都市部でも大きな災害に見舞われるようになりました。安全対策グッズへの関心が高まる中で、ファッションでも高機能なアイテムの人気がさらに加速しそうです。

ベルトのバックルは、モードでもストリートシーンでも大人気の「コブラバックル」。本来は登山用でアメリカ軍も採用するパーツです。ベルト本体は2重にした「コーデュラウェビングテープ」。記事冒頭の写真右から時計回りに、グローブ¥10,450(税込)、メガネ¥60,500(税込)、ネックウォーマー¥13,200(税込)、ベルト¥27,500(税込)、ブーツ¥49,500(税込)/マウト リーコン テイラー(グランデッド TEL:03-5354-6088)

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