手仕事の街、京都に誕生した「アーツ&サイエンス」の新店とは?

手仕事の街、京都に誕生した「アーツ&サイエンス」の新店とは?

店舗設計は、ikken設計室の吉田隆人さん。開放的な吹き抜け空間の中央に、ガラスのカウンターを配置。カウンター越しに商品の魅力や使い方を紹介する既存店「Over The Counter」と同じスタイル。

オリジナル商品やインポート、生活雑貨を扱う「アーツ&サイエンス」が、東京以外での初の直営店を、京都の鴨川からほど近い静かなエリアにオープンしたのは昨年春のこと。そして、今年10月22日、同じ通りに、隣接する2店舗「HIN アーツ&サイエンス 二条通京都」「& SHOP京都」が新しくオープンしました。

二条木屋町の南東角に立つのが、「HIN アーツ&サイエンス 二条通京都」。「HIN」は“ヒン”。品格の品であり、品(しな)であり、ものの値打ちや単位を表す言葉であることから命名されたそう。ここで取り扱うのは、京都の老舗とコラボレートしたものや、国内外から選りすぐった作家や職人による美しい工芸品やクラフトの品々。甲州印伝や鎌倉彫など伝統的な工芸品をモダンにアレンジしたオリジナルアイテム、「見えない贅沢」をテーマにしたホームコレクションも見逃せません。

建物は、古い日本家屋をほぼいちから改装。柱や梁など骨組みの残せるところは残しつつ、細部にまでていねいな職人技が施されています。パネルやディスプレイ棚は和紙職人のハタノワタルさん、壁に埋め込まれたガラスキューブはガラス作家の小澄正雄さん、ショーケースは木工作家の井藤昌志さんと、現代の人気作家たちが空間づくりに携わっているのも見どころです。

2階のギャラリースペースでは、1階で取り扱う作家たちに焦点を当てた企画展を月1回のペースで開催。第一弾はイギリス人陶芸家のスティーブ・ハリソン。ソルトグレーズ(塩釉)という伝統的な手法から生まれる、独特の風合いのマグカップ、ポット、プレートが並びます。12月2日からスタートする、スコットランドのイラストレーター&テキスタイルデザイナー、ドメニカ・モア・ゴードンがフェルトワークに焦点を当てた「Noble Dogs」という展示会も楽しみです。


鴨川・二条大橋からすぐの、ザ・リッツ・カールトン京都の向かい。

店名はグラフィックのディレクションを担当した葛西薫さんが命名。品格の品、品(しな)、ものの値打ちや単位を示す言葉であることから名付けられた。

京都の老舗とのコラボレーションが並ぶコーナー。呉服商「ぎをん齋藤」のクラッチバッグ、扇専門店「坂田文助商店」の扇、清水焼「東哉」の急須、茶筒舗「開化堂」の茶筒など。伝統の職人技とモダンなセンスの融合で、現代のライフスタイルに寄り添うものばかり。

2階のギャラリースペース。ガラス窓はガラス作家の小澄正雄さん、テーブルは和紙職人のハタノワタルさんの作。11月6日までスティーブ・ハリソンの個展を開催中。

1 / 2p
Feature Product 3人のクリエイターが語る、新型「Audi A3」から見えてきたデザインの未来
Feature Product 3人のクリエイターが語る、新型「Audi A3」から見えてきたデザインの未来