路上のポールがテーブルに早変わり。テラス席をもっと活用する秘策とは?【コロナと闘う世界の都市から】
新型コロナウイルスの影響で、パリのカフェやレストランは6月以降、テラス席しか営業できない状態が続いていたが、6月15日にようやく屋内の営業も可能になった。とはいえ、テーブル同士の間隔を明けるなどの感染対策が足枷となっている。そんな飲食業界を支援するため、パリ市は9月末まで、歩道や広場、車道の路上駐車スペースにもテーブル席の設置を許可。「ロックダウン中の太陽を取り戻せ」とばかりに、パリジャンはいつもよりスペースの広がったテラスを満喫している。
そんな折、『ル・パリジャン』紙のサイトに動画で紹介され、注目を集めているのが『トップイット(TOPIT)』というテーブルだ。歩道に設置されたポールに載せ、ボルトを締めて固定すれば、たちまちハイテーブルが出来上がる。
考案したのは、パリ在住の若きデザイナー、トム・ユジカージュ。「夏の夜はバーのテラスがいっぱい。友人たちと立ったまま道端で飲んだ経験は誰にでもあるはず」と、2年前から試作を始め、昨年発表に至った。今回の措置で急にテラスを広げようという店にはまさにうってつけのアイテムで、注目が集まり始めている。
「いま、パリでは5軒のバーが愛用中。納品を待つバーもあって、生産を急いでいるところです」