多治見市笠原町のモザイクタイルがお洒落! 倉敷、長崎に続き、名古屋から...

多治見市笠原町のモザイクタイルがお洒落! 倉敷、長崎に続き、名古屋から巡回展が始まります。

多治見市笠原町の美濃焼モザイクタイル。上左:丸タイル 昭和30~35年 錦窯山内タイル製陶所(山内逸三) 上中:変形「マリク/ビオリア型」 昭和38~40年 鈴製陶 上右:変形「ハンドラ」昭和35~40年 山春製陶所 下左:変形「ロングダイヤ」昭和35年~ 丸八桑山製陶 下中:六分角「無釉モザイク」昭和40年~ 高砂工業 下右:変形「リングライン」昭和30~40年 
撮影:加藤郁美

岐阜県多治見市笠原町。この町が、日本のみならず世界に向けて大量のタイルを送りだす町だった、ということをご存じでしょうか? 笠原町はもともと美濃焼茶碗の町であり、茶碗製陶所で生まれ育った山内逸三さんは、その技術に加え、京都の国立陶磁器試験場で経験を積み、彩り豊かな磁器質施釉モザイクタイルを大量生産することに成功しました。

このタイルの魅力に惹かれて現地を訪れた加藤郁美さんは、その可愛さに夢中になり、町のいたるところに落ちているタイルを拾ってはポケットに詰めながら、町を歩き回ったそうです。町の人たちはそんな光景が不思議で、「タイルがめずらしいかね」とニコニコしながら見ていたとか。笠原にはタイルのデザイナーというものは存在せず、モザイクタイルのデザインは、ずっと茶碗を焼いていた製陶所のお父さんが、お母さんのもとに届く婦人雑誌に掲載されているセーターの編み図を見てその意匠を考え出したというのも驚きです。

今回の展覧会は、6月に倉敷、10月に長崎を巡回し、名古屋の日本陶磁器センターで11月26日からスタートします。昭和30年代に人気を博した組タイルなど120点と、当時貼られたタイルがそのまま残っている町を訪ねて撮影された写真が展示されます。2016年6月には「多治見市モザイクタイルミュージアム」も開館。建築史家/建築家の藤森照信さんが設計を手掛けています。

色とりどりの小さなデッドストックタイルを詰め放題にできる「タイル潮干狩り」(!)という楽しげな催しも。会期中は加藤郁美さんのギャラリートークや藤森照信さんの講演会も開催。11月はぜひ名古屋へお出かけください。(Pen編集部)

旧大垣湯(大垣市廓町)
撮影:加藤郁美

旧金城湯(澤田痴陶人デザイン) 
撮影:加藤郁美 

藤森照信
多治見市モザイクタイルミュージアム スケッチ。
(c)2012 Terunobu Fujimori

『昭和レトロタイル 本と博物館の予告編展』

開催期間:11月26日(木)~11月29日(日)
開館時間:11時~17時
開催場所:日本陶磁器センター 3F大会議室 
名古屋市東区代官町39−18
入場無料
TEL 052-930-5585(colonbooks)
www.facebook.com/events/1681841875370900
http://tmtm28.com/bookandmtm

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