10周年を迎えるパリ・デザインウィークは、コロナに負け...
PARIS パリ

10周年を迎えるパリ・デザインウィークは、コロナに負けず今年も開催。

文:髙田昌枝

昨年のパリ・デザインウィークの風景。例年の賑わいはなさそうだが、”密”を避ける工夫をしながら開催される。

毎年バカンス明けのパリで、メゾン&オブジェとともに新年度の幕開けを告げる、パリ・デザインウィーク。今年のメゾン&オブジェは、コロナウイルスの影響でプロに向けたデジタル・フェアとなったが、デザインウィークは例年通り開催されることに。10周年を迎える今年は9月3日から12日までの10日間、新作デザインの展示からワークショップ、カンファレンスなどが行われる。

一般のデザインファンに向けて開かれる今回のイベントでは、テレワークでの影響で住空間のデザインに注目が集まるだろう。また、主流になりつつあるアップサイクル関連のデザインについても見逃せない。

舞台はギャラリーやデザインショップ、美術館や歴史的な建築物など、パリ市内200あまりのアドレス。今年の見所は、北マレのラ・ギャルリ・ジョゼフとエスパス・コミーヌで行われる「パリ・デザインウィーク・ファクトリー」。デザイン学校を卒業したての若手、注目株の新人デザイナー、東南アジアやアフリカのデザイナーを集め、新しい才能をバックアップしている。

一方で、1964年以来のモビリエ・ナショナル(フランス国有動産管理局)のクリエーションの展示を迎えるエッフェル塔のほか、パリ歴史図書館の中庭やフォルネー図書館など、パリらしい建築物を展示の場とする取り組みも多い。セーヴル陶器やエナメルの老舗ロンウィとデザイナーとのコラボ、17区の木製装飾の老舗フェオーのアトリエ初公開など、フランスのサヴォワール・フェールにも光があてられる。各地での展示と並行して行われるオンラインでのイベントもチェックしたい。

エットーレ・ソットサスの作品。パリのセーヴル陶器ギャラリーでは「オブジェ、アーティストとデザイナー」展を開催。デザインとアートの境目を探るテーマで、有名デザイナーの陶器作品を展示。

「バッファロー・フック(Patère Buffalo)」。慈善団体エマウスが手がける、古いオブジェをアップサイクルしたユニークピースだ。©Les Résilientes x Emmaüs Alternatives

PARIS DESING WEEK
開催期間:2020年9月3日〜12日
開催場所:パリ市内各所
www.maison-objet.com/paris-design-week

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