ベルリン在住の友人曰く、ベルリンでいちばん美男美女に会える確率が高い場所とのこと(笑)。

私は昔からソーホー・ハウス・クラブのメンバーで、各国にあるすべての施設に行ったことがあります。ここはグループの中で最もほんわかとしていて、スノッブさがないのはドイツらしさかもしれません。特にベルリンはすべてのゲストに優しい印象がありました。

やはり、お伝えすべきはサウナです。
ドライもスチームもあり、充分な広さがあるのでぜひ滞在中に体験してほしいと思います。男女ともに裸なのがドイツ文化として有名ですが、ソーホー・ハウスのサウナもやはり男女混合サウナでした。

さらには、ホテルのほとんどの部屋が大きいことに驚きました。部下たちと行った時に「広すぎてゆっくり寛ぐことができませんでした」と言うくらいに。

シアタールームも完備されており、ジムも充実しているし、クラブラウンジやルーフトップレストランも利用しやすいので、ベルリンに行く際は必ず寄ってほしいホテルです。
ホテルに隣接しているセレクトショップ「ザ・ストア」はいつ行ってもよい品揃えです。こちらもぜひ。

ちなみに……
前述した通り、ドイツサウナは基本的に男女混合です。堂々と恥ずかしがらないようにしていることと、ジロジロ見ないことがイケてるモラルとして常識です。
市内にあるVabali Spa Berlin（大型サウナ施設）には10以上のサウナや屋内外プール、レストランがあって、サウナーとしては天国のような場所です。

バルセロナのソーホー・ハウスの記事はこちらから。

オマーン語でアリラとは「驚き」。
標高2000ｍの高地にある、まさに驚きのホテルです。首都マスカットから170kmほどのニズワという地域にあります。
ゲストは空港から車で3時間もかけてやっとたどり着くこのホテルに泊まることだけを目的として来るのです。

日本からのアクセスはトランジット含めて約20時間。
かなりタイトでロングフライトですが、ホテルに到着するとその疲れも吹き飛ぶほどの驚きがあります。

周りになにもない、秘境の地。

私が泊まったのはプール付きのヴィラタイプの部屋で、どこを見渡しても一面が爽快な山景色に覆われています。自然をそのまま活かした幻想的な風景が印象的。

建物は古代の要塞をイメージして地元で採掘した石や木でつくられていたり、地下の用水路を用いた水道システムがあったりするなど、サステイナブルを意識した思想も感じられます。

山地のトレッキングやクライミングがアクティビティとして有名ですが、私はなにもせずのんびりと部屋で過ごしました。
なにもしないで景色を観て過ごすことが、いちばんの贅沢に思えたからです。

スタッフはいろいろな国（バングラデシュ、パキスタン、ネパールなど）の人がいて、とても親切なのが特徴です。施設内にキッズクラブもあり、子ども連れでも安心して過ごせます。
世界中から旅慣れたゲストが多く、夜のバーは互いの旅情報を交換する憩いの場にもなっていて、そこはまさに秘境の地のコミュニティでした。
私が出会った老夫婦たちからは、ニュージーランドやスンバ島（インドネシア）の情報をもらいました。秘境の地で出会うプロの旅人たちはネットや情報誌に掲載がない、さらなる秘境を求めて旅しているのです。

ちなみにヨガやトリートメントは絶景を望める場所で施術されるので、もちろん大人気。予約は早めをお薦めします。
パブリックエリアにはジムやプール、インドアジャクージの他、チルスペースがたくさんあり、どこでも景色を見ながら寛げるホテルです。

スタイリストをしている知人にリコメンドしてもらったホテルのひとつです。
私は友人家族と一緒に泊まったのですが、ファミリー利用よりもビジネスで来た時に身軽に動いたり、もしくはひとりでしっぽりしたり、といったシーンに最適なホテルだと感じました。

1948年に伝説的グラフィック・デザイナーのアルヴィン・ラスティグとサム・ライズボードが手がけたホテル「The Beverly Carlton」をリノベーションしたホテルで、かつてはマリリン・モンローも滞在していたそうです。

1999年に、デザイナーのケリー・ウェアスラーとフォトグラファーのジュリアス・シュルマンがヴィンテージ写真をヒントに1950年代半ばのデザインを表現してリオープン。
84室のシンプルなデザインの客室、カーヴィーな大型プール、アメリカ伝統料理を提供するレストラン＆バーのみで構成されています。小規模なプライベート・パーティに最適な広さなので、貸し切りになっている時も多いです。

周辺にあるビバリーヒルズらしいゴージャスなホテルとは180度異なる、クールでヒップなホテルです。

私の中で言う、「抜き」を表現したホテル。
デザインや機能もやり過ぎたり行き過ぎたりすると疲れてしまうことがありますが、こちらのホテルは、朝でも夜でもほどよいスマートさとリラックス感を備えた抜け感があり、疲れることはありません。
ビバリーヒルズのど真ん中に「抜き」のあるホテルが存在すること自体が、ロサンゼルスらしいというか、上級者というか……。
実は、私たちTRUNKのクリエイティブチーム（TRUNKアトリエ）とこちらのデザイナーのケリー・ウェアスラーはつながりがあります。いつか、一緒にデザインしたホテルを東京でやろう！なんて盛り上がっていたりします。

海外の友人から、「どうして日本にはブティックホテルが増えないの？」とよく聞かれます。
カプセルホテル、古民家を改装したホステルや風情ある一軒家民宿、小規模ホテルなどは増えていますが、中規模以上のホテルが日本でなかなか増えない理由は「資本力」いわば「お金」にあります。ホテルを開発しようしていて、かつ一定以上の資本を投下したいと思わせる魅力的なホテルプロデューサーが少ないからです。
他の国にはプレイヤーと資本家がマッチする場が多々あり、最近では中国、韓国、台湾、香港などでブティックホテルが増えています。その多くがホテルプロデューサーと資本家のアライアンスによるものです。

このザ・フレミング香港もそのひとつ。もともとは1970年代に建てられた建物を活用して2006年に開業したホテルを、オーナーのJohn Huiが2017年に改装し生まれ変わらせました。Johnは元テニスプレイヤーという異色の経歴をもつアントレプレナーです。
改装デザインを手掛けたのは「ア・ワーク・オブ・サブスタンス（A Work of Substance）」。香港の他に、パリとストックホルムにオフィスを構えるデザイン事務所です。

ホテルのコンセプトやデザインは、1960年代の香港をイメージ。その時代は香港が経済成長していた時代で、特に発展に重要な役割を果たした「海事」の要素をふんだんに取り入れています。客室も、香港の象徴でもあるクロスハーバーフェリーに着想を得たクラシックなスタイルになっています。

インテリアにおいて、床や壁の内装仕上げから照明やドアノブ、サインなどの細かいディテールまでデザイナーの気配りを感じます。予算の都合で削られやすいような部分でもきちんとクリエイティビティが行き届いているところが実にブティックホテルらしいホテルです。

1階にあるイタリアン・レストランはインテリアデザインもよく、仕事終わりの金融マンたちでいつも賑わっています。

立地は中環（セントラル）と並ぶ香港の中心・湾仔（ワンチャイ）エリアで、ビクトリア・ハーバーまですぐ。ビジネス利用でも観光利用でも使える立地です。
五つ星ホテルに慣れている人には少しハードルは高いかもしれませんが、デザインが優れていて、少し刺激的な宿が好きと言う人はお薦めのホテルです。

スイス在住の知人から「必ず行ってみて！」とリコメンドされて訪れたホテルです。
その知人は、小さい時から親に連れられて世界中を旅した経験があり、いまはアートディレクターとして活躍しています。彼女が言うには、このホテルは「ブティックホテルの上級者向け」。650年前から存在する歴史あるホテルです。

訪れてみると、トワル・ド・ジュイ（フランスの伝統生地）を使用したデザインのテイストや、こだわりのあるアメニティなどから、現代風ブティックホテルのエネルギッシュな雰囲気とはまた違った印象を受けました。ただ単に上質というだけではなく、重厚感の中にもどこか大人のユーモアを含んだ「唯一無二」の空間がそこにはありました。

なによりも客室の窓からの眺めが最高なので、客室に着いたらまずは窓を全開に開けてください。
客室はチューリッヒ湖につながるリマト川という、水の透き通った綺麗な川に面して配置されています。部屋の真下、2階にある川沿いのレストランのテラス席で食事をする人たちの談笑と、川を走る船の音、向こう岸を走る電車の音が混ざり合って聞こえてくる絶妙なハーモニーが、超絶やばいです。

私が訪れたのは7月。
7月のチューリッヒは日が長く、夜遅くまで外が明るいので、食事後に部屋に戻ってのんびり書き物をしていたのですが、外から聞こえてきたトランペットの生演奏に心酔しました。
ちなみにこのホテルのベッドは全自動リクライニング付き。朝ベッドを起こして、窓の外の美しい景色を眺めながらの朝食は至福の時間でした。

2階のイタリアンレストランのリマト川を眺めるテラス席（4月〜10月限定）は事前に予約しておくことがお薦め。長く人生を謳歌してきた、感性豊かな大先輩たちがたくさん集っています。スタッフも肩肘を張らず、ナイスな接遇をしてくれます。1階のカフェバースペースでも、川沿いの雰囲気を味わいながら軽食を堪能できます。

ちなみにこのホテルのシンボルマークは白鳥。
ホテルの川沿いのスペースでは、どこでも白鳥を見ることができます。