4年半をかけて、「朝倉彫塑館」がリニューアルを果たしました。

4年半をかけて、「朝倉彫塑館」がリニューアルを果たしました。

アトリエ棟3階にある朝陽の間。赤みのある壁には、細かく砕いた瑪瑙(めのう)が塗られていた。今回、瑪瑙をすべて回収・洗浄し再び塗りなおすという手間をかけている。
中写真:朝倉がこだわった「自然」がさりげなくも美しい中庭。
下写真:伸びやかな動きが感じられる、愛らしい猫「たま」(1930年/朝倉彫塑館所蔵)。

谷中の名所、朝倉彫塑館。猫の愛らしい彫刻目当てに訪れた人も多いのではないでしょうか。2009年から保存修復工事が行われていましたが、10月29日に約4年半の時を経て、リニューアルオープンとなりました。
朝倉彫塑館は、彫塑家・朝倉文夫のアトリエ兼住居。約57年間、亡くなるまでここで創作を続け、指導の場として活用し続けました。庭との一体感を大切にした空間意匠は、芸術を「自然と人生との象徴形」と捉えていた朝倉ならではのもの。室内から覗く美しい庭園が、心を和ませます。
アトリエの床は板を1枚1枚剥がして状態を確認後張り直して漆を重ね塗り、昭和30年代の写真をもとに照明を復原したりと、ひとつひとつ丁寧に補修された館内には、あたたかい空気と心地よい時間が流れています。
朝倉晩年、昭和30年代後半当時の風景が見事に蘇った朝倉彫塑館。週末の下町散歩コースにおすすめです。(Pen編集部)

住所:東京都台東区谷中7-18-10
TEL:03-3821-4549
開館時間:9時30分~16時30分(入館は16時まで)
入館料:一般¥500
www.taitocity.net/taito/asakura


●リニューアルオープン記念展示
第Ⅰ期 朝倉文夫 交流の書画 ~12月26日
第Ⅱ期 朝倉文夫 掌の感覚   12月28日~2004年3月2日
第Ⅲ期 朝倉文夫の道具道楽  2014年3月4日~5月11日

●ギャラリートーク
会期:11月21日、12月19日 14時~(各日約30分)
参加費無料

4年半をかけて、「朝倉彫塑館」がリニューアルを果たしました。