目黒区美術館にやってくる、ジョージ・ネルソンってどんな人?
アメリカのハーマンミラー社で25年にもわたってデザインディレクターを務めたジョージ・ネルソン。いまでこそデザインディレクターという役職はよく耳にしますが、彼の存在はこうした時勢にさきがけたものです。自らもデザイナーながら、当時無名であったイームズ夫妻を起用。さらに美しく、洒落のきいたグラフィックによって、ユーザーへと思いを伝えた広告手法も、彼がディレクションしたものです。
そもそもネルソンはいくつもの顔をもつ存在。イェール大学で建築の学位をとり、ローマへ留学、そこでコルビュジエらのインタビューを行い、建築雑誌の編集長などを務めました。彼が制作した記事を見たハーマンミラーの創業者D.J. デプリーは、ネルソンにデザインディレクターを依頼。ここから、戦後のアメリカ・デザインの1ページが始まったといえます。
今展は、ヴィトラ・デザイン・ミュージアム所蔵のジョージ・ネルソン関連コレクションを中心に、家具やプロダクト、模型や映像など約300 点で構成。編集力に長け、次なる時代を描く先進的なヴィジョンをもっていたネルソン。編集者、デザイナー、そしてデザインディレクター。その業績はひとことで語れるものではありません。ボリュームたっぷりの展示を見て、アメリカの20世紀をつくった男の業績に触れてください。(Pen編集部)
『ジョージ・ネルソン展―建築家、ライター、デザイナー、教育者』
7月15日(火)~9月18日(木)
目黒区美術館
東京都目黒区目黒2-4-36
TEL:03-3714-1201
開館時間:午前10 時~午後6 時(入館は午後5 時30 分まで)
休館:月曜(ただし7/21、9/15は開館、翌日休館)
入館料:一般¥1,000、大高生・65 歳以上¥800
www.mmat.jp