現代のシティポップを担う、煌めく才能たち。Vol.2
ロックやジャズ、ヒップホップ、ソウルミュージックなどに影響を受け、アメリカのジャズトランペット奏者、ルイ・アームストロングの愛称「サッチモ」からバンド名を付けたというサチモス。
アシッド・ジャズのグルーヴを感じさせる2016年発表の「STAY TUNE」など、あらゆる刺激が街にあふれていた1990年代のストリート感覚とブラック・ミュージックを融合。現在を軽やかに走るような楽曲で、幅広いリスナーから注目を浴び、シティポップというジャンルを一気にメジャーなものへと押し上げた。
この楽曲以降「街」を飛び出し、世界や宇宙を感じるサウンドを展開している。先日、活動休止が宣言されたが、今後の動向にも注目したい。
never young beach ──ノスタルジックな感覚を、現代的なサウンドに昇華。
日本語の響きを大切にしながら、メンバー全員の個性やこだわりが伝わってくるサウンドで人気を博している4人組。愛称は「ネバヤン」。
細野晴臣や、はっぴいえんどなどからの影響もあるようで、そのノスタルジックな感覚を現代的なセンスでもって、爽快感あふれる音楽に昇華。まるでタイムマシンに乗ってさまざまな時代を行き来しているような、不思議な気分にさせてくれる。現代のシティポップシーンを代表する存在だ。
Yogee New Waves ──過去の多彩な音楽を吸収し、シンプルな音色に集約させる。
70年代のフォークやニュー・ミュージックの流れを感じさせる、アコースティックな音色をメインにしたシンプルなサウンドを奏でる彼らは、デビュー時からシティポップの再来といわれる。
角舘健悟のボーカルは、日常を俯瞰で見つめつつも春風のような温かな視線を感じさせる。過去のさまざまな音楽を吸収し、必要なものだけを抽出した表現は卓越している。時代を自由に乗りこなす軽やかなビートは、耳にしたら離れない。