ネットで話題の「食い尽くし系夫」を、男性問題として考える

ネットで話題の「食い尽くし系夫」を、男性問題として考える

文:福田フクスケ

kumikomini-istock

ネットでは、ひとつのジャンルを形成するトピック

 

「食い尽くし系夫」というネットスラングをご存知だろうか。2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)の「生活板」や、読売新聞が運営する悩み相談サイト「発言小町」、女性向けの電子掲示板「ガールズちゃんねる」など、主に既婚女性が集う掲示板サイトで定期的に取り上げられ、ひとつのジャンルとして成立するくらいその界隈ではおなじみのトピックだ。「食い尽くし系夫」の被害報告としてよく寄せられるのは、以下のようなケースである。

 

・食卓に出した大皿料理を、妻や子供の分を考えずに一人で食べ尽くしてしまう。

・翌日の分やお弁当のために作り置きしておいた料理を、夜中に冷蔵庫を漁って全部食べてしまう。

・一人分を取り皿に分けても、「もうお腹いっぱいだよね?」「食べてあげようか?」などと理由をつけては、妻や子供の分にも手を出す。「1口ちょうだい」と言ってほとんどを食べてしまう。

 

「食い尽くし系夫」をもつパートナーは、「それ以外ではいい人なのに、食のことになると話が通じなくなる」としばしば口にする。とにかく食に対する執着が強く、あったらあっただけ食べてしまうのが彼らの特徴だ。注意しても改めないし、そもそも家族の分まで食い尽くしている自覚がない、「余ったもの食べて何が悪いの?」「たかが食べ物のことでそんなに言うのは卑しい」と食べるための言い訳や逆ギレをしてくるなど、その言動パターンには驚くほど共通点が多い。

 

また、「男兄弟で育ったので食べ物は早いもの勝ちだった」といった生育環境や、家庭でのしつけと相関関係があるとも限らない。単に性格や食い意地といった個人の問題では説明できないものを感じるのだ。では、「食い尽くし系夫」の正体とは一体なんなのだろう。

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