演技賞もの⁉ サンシャイン水族館で開催中の『化ケモノ展』で、‟擬態”す...

演技賞もの⁉ サンシャイン水族館で開催中の『化ケモノ展』で、‟擬態”するスゴい生き物たちに唸りましょう。

文:幕田けいた

アフリカオオコノハズク(擬態後) 写真提供:掛川花鳥園

あたりを見回しても誰もいない……。しかし、実体を見せずに忍び寄る黒い影!  そんなSF映画のような生き物の、なにかに化ける「擬態」に焦点を当て大集合させた『化ケモノ展』が、サンシャイン水族館で2018年11月25日まで開催中です。地球上の生物はみな、サバイバル競争の日々を生きています。その争いを勝ち抜くために獲得した‟超能力”が「擬態」です。

ここに展示されている生き物も、一瞬、どこにいるかと敵が戸惑ってしまう、相手に間違い探しを起こさせるような能力を発揮しています。会場には、擬態する生き物を来場者が探すことのできる水槽もあります。また、擬態をわかりやすく解説するコーナーや、番外編として、成長にともない皮膚の模様を変えたり、偽物の目玉模様を獲得したりする魚の展示も見逃せません。

他の生き物や植物などに化けて身を守る「隠蔽型」擬態の代表選手は、敵から身を守る際に体を細くし木の枝にカムフラージュする、アフリカオオコノハズク。海中に岩のごとき姿で存在し、踏みつけた多くの人間を病院送りにする沖縄サーファーの天敵、オニダルマオコゼや、綺麗なランの花に化け、獲物の蜂が蜜を吸いに来るのを待ち伏せするハナカマキリは、捕食するために特別な能力を身につけた「ペッカム型」擬態です。これらの能力の高さは、人間だってダマされてしまう演技賞もの!  また、毒のあるハ虫類のウミヘビの姿に化けて、天敵を寄せつけない魚類のシマウミヘビは、虎の威を借る「ベイツ型」擬態です。

こんな化け方をするなんて、人間にはまったく考えもよらない生き物たち……。いや、そういえば会社にも、仕事ができるふりをして実はまったくできないベイツ型上司や、性格がよさそうなのに陰ではいろいろと企んでいるペッカム型女子がいました。あれも人間がサバイバルするための化ケモノ的戦略なんでしょうね。そんな風に、自分の身の回りのことを考えながら、自然の奥深さと生き物の生きる知恵に触れてみるのも面白いかもしれません。意外と深い本展、どうぞお見逃しなく!

アフリカオオコノハズク(擬態前)  写真提供:掛川花鳥園

イロカエルアンコウ

オニダルマオコゼ

シマウミヘビ

ヘラオヤモリの仲間

ミツヅノコノハガエル

『化ケモノ展』

開催期間:2018年 6月28日(木)~11月25日(日)
開催場所:サンシャインシティ ワールドインポートマートビル 屋上 特別展会場
東京都豊島区東池袋3-1-1
TEL:03-3989-3466
開館時間:10時~21時(6月28日~9月24日) 10時~18時(9月25日~11月25日) ※入館は閉館の30分前まで
入館料:一般¥600(税込)
www.sunshinecity.co.jp/campaign/cp/bakemonoten


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