10年間の昏睡から覚めた青年が見た、ある国の悲惨な内情とは?

10年間の昏睡から覚めた青年が見た、ある国の悲惨な内情とは?

文:今泉愛子

『理不尽ゲーム』サーシャ・フィリペンコ 著 奈倉有里 訳 集英社 ¥2,310(税込)

【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】

東ヨーロッパのベラルーシ出身の作家が、1999年から2010年にベラルーシで実際に起きた事件をもとに描いた長編小説。主人公の青年は、1999年に地下鉄の駅で起きた群衆事故で昏睡状態に陥り、10年後に目覚めた。5年ぶりの大統領選で、反体制派を主導していたジャーナリストは謎の自死を遂げ、集会の日に広場にいた者は携帯電話の位置情報をもとに全員が逮捕されたという。21世紀にこの状況は信じがたいが……。理不尽さが増していく国家の様子を、主人公の視点を通して生々しく描いている。



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10年間の昏睡から覚めた青年が見た、ある国の悲惨な内情とは?
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