日本橋高島屋で、民藝のこころを知る展覧会。

日本橋高島屋で、民藝のこころを知る展覧会。

左、「芹沢型角脚バタフライテーブル」(松本民藝家具製作) 芹沢のデザインがベース。原型の英国のテーブルに比べ、装飾をそぎ落とし、力強さと落ち着きがある。右、静岡県静岡市「型染」 型染めは日本の伝統的な染色技法ひとつで、江戸時代に庶民の浴衣染色技法として発展した。デザイン、型彫り、染と分業していたが、芹沢銈介は全行程を一貫して行い、自由な表現へと昇華させた。ともに『用の美とこころ 民藝展』に出品。

普段の生活に用いられるもののなかに美を見出した民藝運動の創始者・柳宗悦(1889-1961)。柳は、1934年に、柳らが全国を訪ね、蒐集した民藝品1万数千点を東京の高島屋で展示販売した『現代日本民藝展覧會』を開催しました。それからちょうど80年の今年、日本橋高島屋8階催会場で『用の美とこころ 民藝展』が、9月10日(水)~9月23日(火・祝)まで開催されます。 
いまもその美に共感する人々が世代を超えて広がっている民藝。この展示・販売会では、柳宗悦や河井寛次郎の提唱を受けて、民藝を実践した芹沢銈介(せりざわけいすけ)や池田三四郎の松本民藝家具、柳の本流をいまなお受け継ぐ各地の工房の品々を扱います。
同じ9月10日(水)~9月23日(火・祝)の期間には、日本橋高島屋8階ホールで『生誕120年記念 デザイナー芹沢銈介の世界展』が開かれています。型絵染の人間国宝であった芹沢銈介(1895-1984)は柳との出会いをきっかけに民藝運動に共感、沖縄の紅型から独自の型絵染を創始しましたが、染色作家という枠では語り尽くせない「色彩と造形の魔術」ともいうべき世界をもった卓越したデザイナーでした。この展覧会では、屏風やのれん、着物、帯などの芹沢の作品約60点と、芹沢が蒐集した美術・工芸品約50点を展示し、その美意識と感性に迫ります。
『用の美とこころ 民藝展』と『生誕120年記念 デザイナー芹沢銈介の世界展』はともに、日本橋での展示の後、横浜、京都、大阪の高島屋を巡回します。民藝のこころを感じに、東京以外の地域の方もぜひお出かけください。(Pen編集部)

左、島根県出雲市 「出西窯」 昭和23年、民藝運動に共鳴した地元の若者たちが、濱田庄司や河合寛次郎の指導を仰ぎながら、開窯した。 シンプルな色と形で人気。右、富山県富山市 「八尾和紙」江戸時代から伝わる伝統工芸であり、すべての工程を手作業で行う。 その発展 は、いわゆる富山の薬売りともにあり、薬の包装紙や袋に使われていた。 芹沢銈介の型染の影響が特徴的。 ともに『用の美とこころ 民藝展』に出品。

『いろは文六曲屏風』 1958年 東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館蔵 『生誕120年記念 デザイナー芹沢銈介の世界展』に出品。

「舞踊用頭飾り」(マリ共和国) 東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館蔵 『生誕120年記念 デザイナー芹沢銈介の世界展』に出品。

『用の美とこころ 民藝展』
9月10日(水)~9月23日(火・祝)

日本橋高島屋8階催会場
東京都中央区日本橋2-4−1
TEL:
開場時間:10時~20時( 入場は閉場の30分前まで)、
※9月16日(火)と最終日は18時閉場
入場無料

巡回情報:
9月25日(木)~ 10月6日(月) 横浜高島屋
2015年1月7日(水)~1月19日(月) 京都高島屋
2015年1月 21 日(水)~ 2月2日(月) 大阪高島屋


『生誕120年記念 デザイナー芹沢銈介の世界展』
9月10日(水)~9月23日(火・祝)

日本橋高島屋8階ホール
東京都中央区日本橋2-4−1
TEL:
開場時間:10時~20時( 入場は閉場の30分前まで)、
※最終日は18時閉場
入場料:一般¥800、大学・高校生¥600、中学生以下無料

巡回情報:
9月25日(木)~ 10月6日(月) 横浜高島屋
2015年1月7日(水)~1月19日(月) 京都高島屋
2015年1月 21 日(水)~ 2月2日(月) 大阪高島屋
※3月 17 日(火)~ 6月17日(水)  仙台・東北福祉文化大学芹沢銈介美術工芸館

日本橋高島屋で、民藝のこころを知る展覧会。