「世界報道写真展2014」が、東京都写真美術館で始まっています。

「世界報道写真展2014」が、東京都写真美術館で始まっています。

ジブチの夜の海岸に立ち、携帯電話を掲げて隣国ソマリアからの安価な電波をキャッチしようとするアフリカ出身の出稼ぎ労働者たち。「世界報道写真大賞 2013」を受賞した米国のジョン・スタンマイヤーの作品。VIIからナショナル ジオグラフィック誌 ジブチ共和国、ジブチ市(2013年2月26日)

東京都写真美術館で、「世界報道写真展」が始まっています。主に昨年1年間に撮影された写真を対象とするこの世界の報道写真のコンテストは、今年も132の国と地域から6000人近いフォトグラファーが参加し、98,671点から大賞などの受賞作品が決まりました。その受賞作品を紹介するのが『世界報道写真展2014』です。

今年は9つの部門で53人が受賞しました。大賞は、米国のジョン・スタンマイヤー氏がジブチ共和国で出稼ぎ労働者の姿を撮影した作品です。アフリカからヨーロッパや中東に向かう労働者の通過地点であるジブチで、近隣のソマリアからの安価で微弱な携帯電話の電波を頼りに、祖国に残った家族となんとか連絡を取ろうとする彼らの切実な思いが見て取れます。技術の進歩で誰もが携帯電話を持てるようになった現在も、さまざまな理由から国を離れざるを得ない人々がいるという現実を突き付けられます。

スポーツや自然、ポートレートなど幅広い分野の写真を紹介しているのも本展の魅力です。インターネットなどで世界がより近く感じられるようになった現在でも、我々の知りえないことが各地で起きている、そんなことを気づかせてくれる作品が揃っています。約45の国と地域、100都市以上で1年を通じて開催される世界規模の写真展に足をお運びください。会期は6月7日(土)~8月3日(日)まで。

また、会場の東京都写真美術館は、会期後の9月24日から、大規模改修工事のため約2年間の休館を予定。今回が休館前に訪れる最後の機会かもしれません。例年2月に東京都写真美術館を中心に行われる「恵比寿映像祭」については、休館期間中も開催予定です。(Pen編集部)

ナイロビの高級ショッピングモールで武装グループが銃を乱射。身を隠す女性と子どもたち。「スポットニュース」の部、組写真2位。タイラー・ヒックス(米国)ニューヨーク・タイムズ紙 ケニア、ナイロビ(2013年9月21日)

ロサンゼルスのグリフィス公園内を歩くクーガーの姿を、仕掛けカメラがとらえた。適応力の高いクーガーはロサンゼルスやハリウッドヒルズなどの都市部に姿を現すことが増えている。「自然」の部、組写真1位。スティーブ・ウィンター(米国)ナショナル ジオグラフィック誌向け 米国、ロサンゼルス(2013年3月2日)

世界報道写真展2014
6月7日(土)~8月3日(日)

東京都写真美術館
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
TEL:03-3280-0099
開館時間:10時~18時(火、水、土、日)
10時~20時(木、金)
※7月17日以降の木・金は21時まで開館
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(月が祝日の場合は開館し、翌火休館)
料金:一般 ¥800、学生 ¥600、中高生・65歳以上 ¥400

「世界報道写真展2014」が、東京都写真美術館で始まっています。