松濤美術館のリニューアルを記念した、ねこづくしの「ねこ・猫・ネコ」展は4月5日から。
ネコって平安時代に仏教とともに日本に伝来したと知っていましたか? 船上にいるネズミから経典を守るためにもたらされたという説が有力だそうです。古代エジプトで誕生し、シルクロードを通って世界へ広まっていったネコ。その出自はミステリアスな風貌とよく似合います。日本でも天皇や貴族に愛玩され「枕草子」や「源氏物語」にも登場し、江戸時代には美人画にも描かれ、庶民に愛されました。近代以後も愛猫家で知られた彫刻家の朝倉文夫、画家の藤田嗣治や猪熊弦一郎など多くの画家や彫刻家がネコをモチーフに創作しています。4月5日から5月18日まで「ねこ・猫・ネコ」展というまさに猫づくしな展覧会が開催されます。場所は、建築家の白井晟一が最晩年に手がけた渋谷区立松濤美術館。1980年のオープン以来、32年ぶりにリニューアルしたばかりです。本展では近世以降の作品を中心に中国や朝鮮の作品を含め87匹の猫がお出迎えしてくれます。会期中にはネコをテーマにした講演会や落語会も予定。猫偏愛の方、見逃せませんよ。(Pen編集部)