大人気のブルーノ・ムナーリ展がいよいよ最終の巡回地へ。世田谷美術館の展覧会をお見逃しなく。
日本でも、絵本などを通して広く知られているイタリアの美術家ブルーノ・ムナーリ(1907~98年)。絵画や彫刻の他、造形教育など幅広い分野で業績を残したムナーリの本格的な回顧展が世田谷美術館で始まりました。
ムナーリは傑出したアイデアマンです。『役に立たない機械』はモビールの先駆け。『おしゃべりフォーク』はフォークの歯を折って、人の手のジェスチャーに見立てたもの。絵本は、ページに穴を開けるなどしてページそのものを表現の媒体に。さらに『旅行のための彫刻』という、小さな紙を折り畳んだ彫刻も考案。旅先へもち運べる彫刻という、なんとも楽しいアートです。「開かれた、動きのある、軽みを持った芸術」とは、ムナーリを評した瀧口修造の言葉。コミュニケーションに関心を寄せたムナーリは、誰もが最小限の操作で美術を制作できるように考えました。
展示は約300点で構成。半数は日本初公開です。ダネーゼ社から発売されたデスクセットやカンパリの広告も出品され、デザインの仕事も明らかになります。ユーモラスで知的なムナーリの作品は、どれも創造性にあふれています。自由な発想の中には、いまを豊かに楽しく生きる新たなヒントがあるかも? 展覧会図録は論考が充実し、約380ページと読み応えあり。今春、神奈川県立近代美術館で幕を開けたムナーリ展の、最終の巡回展です。お見逃しなく!
『ブルーノ・ムナーリ―役に立たない機械をつくった男』
開催期間:2018年11月17日(土)~2019年1月27日(日)
開催場所:世田谷美術館
東京都世田谷区砧公園1-2
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~18時 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月(12/24、2019/1/14は開館)、12/25、2018/12/29~2019/1/3、1/15
入場料:一般¥1,000(税込)
www.setagayaartmuseum.or.jp