巨匠対決! 尾形光琳と円山応挙が、青山の根津美術館で相まみえる。
展覧会の主役は、尾形光琳の「燕子花(かきつばた)図屏風」と円山応挙の「藤花(ふじばな)図屏風」。その比較を中心に、近世絵画の美を概観できるという内容です。
琳派の立役者である尾形光琳は、独自の装飾的な画風を確立したほか、工芸デザイナーとしても才能を発揮しました。光琳40歳代の作品である「燕子花図屏風」は、京都の呉服商の家に生まれただけあって、衣装の文様にも通じる大胆なデザインを六曲一双屏風に展開。金地に青と緑のみで表された燕子花の群生が鮮やかに描かれた三河の国の八橋の情景など、上質な絵具を贅沢に使い豊麗な世界をつくりだしています。
燕子花図屏風の約70年後に、同じ京都で円山応挙により描かれた「藤花図屏風」は、金地に単一の植物を描くという点では共通しつつも、幹や枝を描く即興的な筆墨や花房をあらわす複雑な色遣いなど、繊細で新しさを感じさせます。高度な技法と細かい観察によって実現する、応挙の写生ならではといえる作品です。
この2点以外に、琳派の金屏風、円山派、四条派の作品およそ20点を展示。日本美術を知るには、必ず行っておきたい展覧会です。(Pen編集部)
燕子花図と藤花図 ―光琳、応挙 美を競う―
4月19日(土)~5月18日(日)
根津美術館
東京都港区南青山6-5-1
TEL:03-3400-2536
開場時間:10時~17時(5月13日~18日は19時まで)
※入館は閉館30分前まで
休:月曜日(5月5日は開館)
一般¥1,200
www.nezu-muse.or.jp