スマホやネットなくしてはありえない現在の生活を、20年前に想像できただろうか？　デザインミュージアムで開催中の『家の未来展』は、20世紀に想像した21世紀の生活を伝える展覧会だ。 「スマート生活」「移動生活」など7つのテーマで、1950年代以降のデザイナーや建築家が描いた、21世紀の家電や建築、家具などを展示している。想像通りに進化したものから、実現しなかったものまで、昔描いた未来といまを比較できるのが楽しい。現在から十数年後の近未来を予想する映像も上映されて、進歩を礼賛するだけでなく、利便性を追求する危険性もチクリと警告している。過去から未来まで、「進歩」を考えさせるユニークな展覧会だ。

SNSで人気のイラストレーター、フェデリコ・モンザーニのグッズ専門店がドゥオモ近くにオープンした。
グラフィック・デザイナーでありアーティストでもある彼のイラストは、情勢や流行を子どものような眼で捉え、思わずクスっと笑顔になってしまうものばかり。たとえばスパゲティで縄跳びをするトマト、スプレーのように見えるカメレオン……。少し視点を変えれば、シリアスなこともユニークに捉えることができるというメッセージも込められている。マグカップからトレーナーといった商品の他、モンザーニのデッサンも販売。カラフルで夢があふれるモンザーニの世界が詰まったアイテムはギフトにもぴったりだ。

404館あるカタルーニャ州の図書館。2017年にデジタル図書館がスタートし、デジタル書籍を借りられるようになって書籍の貸し出し回数が大幅に増加した。そして18年12月、データでの映画作品の貸し出し「e-film」を開始。煩わしい返却の手間がなく、無料ということもあり、さっそく大変な人気を呼んでいる。
このサービスは、オンライン上で会員番号とパスワードを入力すれば、月に映画8本までを72時間無料でパソコンやタブレットで視聴することができるというもの。古典的名作から最近のヒット作まで、2000本以上をラインアップする。図書館好きが多いカタルーニャだが、デジタル化で来館者は減っても利用者は増えそうだ。

ストックホルム発のシェアリング電動キックボード「VOI」（ヴォイ）が街を席巻中だ。利用者は、スマホのアプリで自分の近くにあるキックボードを探し、解錠から支払いまでをアプリ上で行う。乗り終えたら街中に乗り捨てる仕組みだ。最大時速は20km/h。車体はアメリカのセグウェイ社と共同開発した。
2018年9月にストックホルムでサービスを開始してから1カ月で利用者は5万5千人に達し、すぐに国内第2の都市であるヨーテボリやスペインのマドリードまで利用エリアを広げた。今後は、イタリアやフランスなどさらなる拡大を予定している。電動キックボードが欧州でメジャーな移動手段になる日は案外近いのかも!?HPはこちらから→www.voiscooters.com

ナショナル・ギャラリー・シンガポールとアートサイエンス・ミュージアムという、シンガポールを代表する美術館で2館同時開催する展覧会『ミニマリズム：空間、光、オブジェ』が圧巻だ。
1960年代にアメリカを中心に始まったミニマル・アート周辺の作品を幅広く展示。ドナルド・ジャッドや李禹煥（リー・ウーファン）などの代表的作家からアニッシュ・カプーアやオラファー・エリアソン、ソピアップ・ピッチなど現代の作家まで、作品数は150点以上におよぶ。また、「禅」などアジアの思想や哲学がアートに与えた影響を探る内容になっているのも興味深い。東南アジア地域で初というミニマル・アートの大規模展。これは見逃せない。