建設ラッシュに沸く東京。デザインとコンセプトで目を引く、世界に誇りたい建築を、Penがセレクトする。ここで紹介するのは、「カシヤマ ダイカンヤマ」だ。
代官山駅のなだらかな丘陵地に、ひと際目を引くユニークな建築が誕生した。ネンド(nendo)の佐藤オオキが建築および内装デザイン監修を務めた、飲食やファッション、ギャラリーからなる複合施設カシヤマ ダイカンヤマだ。文具からラグジュアリーブランドまで世界中から引っぱりだこのネンドによる、国内初の大規模商業建築である。建築デザインは、丘をイメージしていくつもの箱を積み重ねた。箱をずらしながら重ねていき、代官山の丘のラインに沿うように計画している。ずれにより生まれた隙間には、横軸ではテラスを設置。縦軸では開口を取り自然光が入る仕組みだ。
インテリアでは、箱が重なった部分に注目を。たとえば地下1階の床では箱ごとに異なる玉砂利を敷いているが、重なった部分にはそのふたつを混ぜた玉砂利が使われている。また、外装のデザイン要素を内部にも取り込み、デッキや外壁の仕上げをインテリアに導入。家具も、共通する素材で一体感をもたらしている。
建築、インテリア、家具それぞれの要素が重なり合い柔軟に融合。さらに複数の箱によって巡り歩く楽しさも加わった。上質かつ、飽きさせることのない新鮮な空間が完成した。
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服・食・デザインの箱が、積み重なる
カシヤマ ダイカンヤマ
デザインアーキテクト : ネンド 2019年
住所:東京都渋谷区代官山町14-18
TEL:03-5784-1287
www.kashiyamadaikanyama.com