【Penが選んだ、今月の音楽】
『マハーシュマシャーナ』

レディー・ガガやビヨンセの楽曲制作にも携わった、現代屈指のアメリカ人シンガー・ソングライターの6作目。歪んだガレージ・ロックにディスコ調、胸に染みるバラードなど、曲ごとに情景の美しさを変える多層的なチェンバー・ポップに魅了される。表題の“大いなる火葬場”が示すように、シニカルな歌詞も彼の持ち味。魂をゆさぶるノスタルジックなメロディ、優美で壮大なオーケストレーション、男前な歌声の四位一体で聴く者を感動の音楽体験へ誘う。タイムレスな魅力に満ちた、珠玉のグッドミュージック集だ。
※この記事はPen 2025年3月号より再編集した記事です。