「まさかのブラックベリーとiPhoneが融合!?」とワクワクする人も多いだろう。世界中で話題のiPhoneケース「Clicks Keyboard」である。物理キーボードを備える革新的ともいえるプロダクト。スマホの液晶画面を指で滑らすタッチセンサー式でエラーを多発する人はとくに待ち望んだ製品ではないだろうか。スマホ一体型で外付けキーボードを持ち歩く必要がない。混雑する電車内でもスマートに物理キーボードで打ち込める。スマホにキーボードが表示されないから広い液晶画面を目一杯使える。iPhoneの端子に差し込むため周囲の電波状況にも左右されない。
12月3日(火)よりAmazon内「Clicks Japan公式ストア」で発売が始まった。日本展開するモデルはまず、iPhone 16 Pro、iPhone 16 Pro Maxの2型各3色のみ。無印のiPhone 16には対応していない。海外ではiPhone 14、iPhone 15シリーズ用も展開しており、日本からのオーダーも可能だ。
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日本発売直前に本国のCEOが来日して記者発表が行われた。その会場にてごく短時間だが触った実感をお伝えしよう。ここでの記述はiPhone 16 Proを基準にしている。なお各ケースの詳細なスペックはClicks Japan公式ストアをご覧いただければと思う。
まずはデザインと質感について。このつくりの良さに満足する人は多いだろう。滑らずホールドしやすく手に馴染み、キーボードを押した感触も良好。ポチポチとスムーズに打ち続けられる。キーの小ささも、よほど指が太い人でなければ問題ない印象だ。なおキーはバックライト搭載なため暗闇でも打てる。App Storeでアプリ「Clicks Keyboard」をダウンロードすれば、ライトを自動とオフで切り替えられる。
ボタン操作で気が利いていると感じたのが、サイドボタンを押すと画面がシンクロして縁の黒線がわずかに出っ張ること。ボタンを離すと元に戻る。ゴムを押したときの物理現象を再現したような洒落たギミックだ。ボタンを押したことが判別できることに加え、スマホとケースの一体感も実感できる。何気ない工夫だが、これひとつ取ってもClicks Keyboardがユーザーフレンドリーな思想でつくられたことがよくわかる。
各ボタンは「コマンド+H」でMacやiPadのようにホーム画面に戻れたり、サファリのWebブラウズを「スペース」押しで下にスクロールさせることもできる。ボタンは前述したアプリでのカスタマイズも可能で、音楽再生など自分流のショートカットキーに割り当てれば自宅の家電との連携もできる。
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QWERTY配列のキーボードで数字が省略され、よく使う記号によっては複数キーを組み合わす入力を覚える必要がある。日本語入力はローマ字で行う。iPhoneの日本語入力で標準的なフリック入力を物理キーボード上で行うことはできないが、簡単なキー操作ですぐ画面に表示できる。ビジネスメールや資料作成などで長文打ち込みやコピーペーストをするときは物理キーを使い、LINEやメッセージなど日常的な短文は液晶画面でのフリック入力といった使い分けをしよう。
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道具としての使用感なら、これ以上を求めるのが酷なほど優れた製品である。ただし好みがわかれそうな点も幾つかある。まずはケースの大きさ。当然ながらスマホにキーボードを付け足すとかなりの長さになる。服のポケットに気軽に放り込めるサイズではないと感じる人もいるだろう。ここは購入前にしっかりとチェックしておきたい。公式に発表がないものの、重量は60〜70gほどのようだ。思ったより軽い印象だったが、スマホ自体は重いため両手でキーボード部分を支えると重心バランスがやや上に偏る。片手で打ち込むのはあまり現実的ではなさそうだ。
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発売するイギリスの会社「Clicks Technology」によると、24年1月の世界発売から現在まで8万個以上を売上げ、ユーザーの40%以上が物理キーボードを使用したことがない人だと言う(パソコンでの使用を除く統計と推察される)。日本での販売価格はiPhone 16 Pro用で23,870円で、スマホ本体も含めるとそれなりの合計金額になる。機種変するとこのケースを買い替える必要があることも頭に入れておこう。
試してみた使用感では、iPhoneをモニタつき超小型パソコンへと高める魅力的な製品と感じた。持ち物を軽快にしたい仕事現場で最高に役立ちそうだ。普段はバッグに入れておき、必要なときだけスマホに取り付ける使いわけもできる。見た目はお洒落で機能は本物、そんなこだわりのつくりが大人心を掴むハイセンスなケースだ。
Clicks Japan公式ストア
www.amazon.co.jp/stores/Clicks/
ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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