NEW YORK ニューヨーク/アメリカ
高架鉄道の路線跡を再利用した空中庭園、ハイラインに新しいパブリックアートが登場した。コロンビア出身のアーティスト、イヴァン・アルゴテの“ダイナソー(恐竜)”は、細心にハンドペイントを施した、高さ約4.87mのアルミニウム製の巨大な鳩の作品だ。
ニューヨークのストリートバードといわれる鳩はいつも足元にいるものだが、その立場を逆転させ、高架上から人や車を見下ろす姿はとてもシュール。鳩はあまりに多く生息しているため、大切に扱われることはないが、この街に暮らすほとんどの人と同様に、ここにたどり着き、やがて住民となった“移民”である。都市の進化の証人ともいえ、そのことを思い出させる企みでもある。
※この記事はPen 2024年11月号より再編集した記事です。