人懐っこい見た目の裏に、ストレスフリーな機能が満載な「シャープ アクオス R9」【麻倉怜士が選ぶ今月の家電】

  • イラスト:信濃八太郎
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〈スマートフォン〉
SHARP AQUOS R9(シャープ アクオス R9)

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高価格化するスマホ市場の中で、高画質カメラを備えるハイエンドモデルながら手に届きやすい価格帯を実現した。¥100,000前後(SIMフリーモデル、市場想定価格)

毎年、この季節に最上位フラッグシップ「Pro」をリリースしていたシャープのAQUOS スマホだが、今夏はハイエンドとしてはアフォーダブルな価格で登場した「R9」がトップモデル。昨年のProに比べCPUはグレードダウンし、センサーサイズもスケールダウンしたが、それを吹き飛ばす刮目の新機軸が満載だ。

まずモニターがきわめて明るい。一般にスマホ画面は、モデルを経るごとに高輝度になる。これまでは小さな範囲のピーク輝度が競争軸だったが、実使用シーンを考えると、画面全体が明るいほうがメリットが大きい。そこで駆動を高効率にし、画面の平均輝度を格段に上げ、前モデルの約4倍となる1500nit(明るさの単位)に大ジャンプ。

早速、太陽を背に使用してみた。多くのスマホは太陽光が直接当たるとコントラストが弱くなり視認性が著しく落ちるが、R9はしっかとモニターできる。普段の映像視聴や写真表示でも、細部までコントラストが行き届いた明瞭な情報表示を支えている。

もうひとつ面白いのが「料理の影を消す」機能。俯瞰で撮影すると撮影者の手やスマホの影が映り込みやすい。その影をスマホが認識、自動で除去するAI機能だ。確かに便利だが、対象が料理写真だけというのが残念。筆者はよくスマホで新聞記事を撮るが、影を映り込ませないのが意外に難しい。ぜひ対応をお願いしたい。

デザインが素敵だ。ハイエンドなスマホというと、決然とした直線基調で堂々たるスタイリングが普通。だがR9のレンズまわりは真円でも楕円でもない自由曲線。個々のレンズ円の配置もどことなくアンバランス。ハイテクの塊であるスマホにちょっとヒューマンな温もりを感じた。

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ライカが監修したカメラを採用。同社のレンズを搭載し、電子式手ブレ補正と光学式手ブレ補正を併用したハイブリッド補正により、安定感のある動画撮影が可能だ。

麻倉怜士

デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。著書に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)などがある。

問い合わせ先/シャープ 
https://k-tai.sharp.co.jp/support

※この記事はPen 2024年9月号より再編集した記事です。