価格も老舗の良心を示す、
極上のトゥールビヨン

スイス時計界でも屈指の老舗ユリス・ナルダンは、今回がSIHHに初参加となる。1846年の創業以来、特に船舶用高精度時計で世界的な評価を得たブランドであり、旧日本海軍への納入実績も知られている名門。その新作「マリーン トゥールビヨン」が、SIHHの会場を大いに沸かせた。機構が浮いているように見えるフライング・トゥールビヨンと、傘下のドンツェ・カドラン社製グラン・フー（高温焼成）エナメル文字盤。テクニカルとアーティスティック、どちらかひとつでも時計ファンを魅了する満点レベルの仕事を、あえてゴールドでもプラチナでもなく、SSのケースに載せた。一生楽しみ、誇ることができ、次世代に引き継ぐ腕時計が、予想をはるかに下回る予定価格をつけた。聞いて耳を疑った関係者も多いだろうが、この良心もまた伝統のブランドらしいのである。

自動巻き（Cal.UN-128）、SS、ケース径43㎜、ケース厚12㎜、ドンツェ・カドラン社製エナメル文字盤、シリシウム製のひげゼンマイ&アンクル&ガンギ車、パワーリザーブ約60時間、アリゲーター革ストラップ、100m防水。￥3,499,200（予価、5月発売予定）

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