Craftsmanship
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時間を惜しまず、
手間ひまかけてつくる意味
2020年、夫でアートディレクターの池澤樹とクリエイティブスタジオ「STUDEO(ストゥディオ)」を設立。篠原はデザイナーとして、さまざまなプロジェクトに参画してきた。一貫しているのは徹底したこだわりだ。社会のデジタル化、テクノロジーの進化が進み、効率化を図ることも容易になった。だが、なぜ篠原は人のケアにこだわるのだろうか。
「会社の名前であるSTUDEOは、専念する、努力する、学ぶという意味が込められています。あわせて会社のモットーにしているのがクオリティファースト。よいものは必ず人の心に届くと、私自身が信じているのです」
ペンでデザイン画を描き、触れて素材のよさを感じ取る。そんな工程を重ねていくと、「手の感覚が研ぎ澄まされ、次第にその力が強くなっていくように感じる」と篠原。そんな感覚がピークに近づくほどに、触れたものと気持ちが呼応するのだという。
「ものづくりって、特別なことだと思うんです。だから、なにかものづくりを続けている職人さんたちへのリスペクトの念を強く持っています」

