「いつの頃からか、ジャケットはネイビー、パンツはグレーと、決まった色だけを着るようになりました」という小暮さん。クロゼットの中は、ネイビーのジャケットとグレーのパンツばかりなのだとか。とはいえ、「いくつも持っているからもう買わない」ではなく、「気に入ったものであれば似たようなアイテムでも買う」のが、小暮さんのジェントルマンズルール。
「英国紳士は自分のスタイルをしっかりと確立したうえで、ときに伝統を重んじ、ときに革新的に、オリジナリティのある装いを楽しんでいます。私はネイビージャケットにグレーのパンツというルールがありますが、同じようなアイテムでも当然細部は異なります。似ているけれど違うアイテムを買っていくことで、そのルールも少しずつ更新されているんです」
小暮さんが数多くもつネイビージャケットの中から、ジェントルマンズアイテムとして紹介してくれたのは、コム デ ギャルソン・シャツのジャケット。ウエストに絞りがあるなどディテールに凝ったアイテムで、ほどよいカジュアル感が、若々しさをもたらしています。
「すごく気に入った服は着古してしまうので、予備を買っておくことが多いんです（笑）」
似たようなアイテムばかりか、まったく同じアイテムも買い足す。生粋の服好きです。

ネルシャツをリメイクしたネクタイには、胸ポケットのなごりと、ピンバッジが付いた個性的なデザイン。ベーシックな装いに遊び心を効かせる、ジェントルマンの心意気あふれる小物使いです。

このコム デ ギャルソン・シャツのジャケットは、モッズコートのように、裾とウエストにドローストリングが施されています。「短い着丈がちょうどいいのと、ドローストリングによって丸みを帯びたシルエットが気に入っています」

ネクタイと合わせて、時計には赤いベルトを。「このロレックスは、フランス人デザイナーのダニエル・クレミュからいただいたものです」

シューズはアメリカンフルブローグのオールデン。オールデンはいくつか所有しているそうですが、小暮さんの足にはカーフのものが馴染みやすいのだとか。ネイビーとグレーのコーディネートに、赤のアクセントを効かせてフレッシュな印象に仕上げています。