「これはニューヨークのブルックス ブラザーズ本店で、20年ほど前に購入しました」
長年原宿の顔として親しまれてきた八木沢博幸さんが紹介してくれたのは、イギリス貴族の室内履きがルーツのアルバートスリッパ。「トム・フォード時代のグッチのアルバートスリッパを見てから、この形が好きになりました。いまではこれの他にもトリッカーズとラルフローレンのものを持っています」
パイピングされたベルベット素材、キルティングのライニング、アッパーの刺繍と、室内履きの特徴を残したクラシックな形状は、紳士なアイテムそのもの。本来は室内履き用につくられているので、長距離の歩行には向かないエレガントなシューズ。知人の結婚式などの、華やかな場面で活躍しているのだとか。
「室内での装いまで気を使えるのが紳士ですが、僕は紳士じゃないので（笑）。結婚式などのフォーマルな場面で履くことが多いですね。そのような場であれば、ルームシューズもきれいにハマります」

ブラックにゴールドの刺繍が目に鮮やかで、いまのファッションとも馴染みがいい。

ブランド名のピールとは、1964年に閉店したイギリスの名門注文靴店。ブルックス ブラザーズが商標を引き継ぎ、現在でも生産が続けられています。

もともとは貴族が自分の家紋やイニシャルを入れていたものです。貴族のスポーツであるハンティングから、キツネや鳥などのモチーフも使われることが多いです。

腕時計は、キャシディ ホームグロウンでも販売しているスマートターンアウトのもの。ベルトストラップのカラバリも豊富に揃うので、気分やコーディネートに合わせて使い分けしたい。八木沢さんは、ジャケットのディテールやネクタイと上手にコーディネート。

八木沢さんが着ているジャケットは、キャシディ ホームグロウンのオリジナルアイテム。アンコンの3つボタンで、大きめの金ボタンがインパクトのあるデザイン。トラッドなアイテムを時代に合わせて最解釈する、八木沢さんらしい審美眼が垣間見えます。