14人の洒落者達に訊く、私の紳士的逸品。
MY GENTLEMAN’S ITEM
写真：江森康之 文：佐野慎悟
ベーシックなアイテムだからこそ、
洗練のディテールワークが活きてくる。
スタイリスト
井藤 成一
ファッション誌を中心に、CM広告やブランドカタログ、ミュージシャンなど、メンズ・レディース問わず、スタイリングをこなすマルチスタイリスト。近年は俳優や文化人の着物の着付け、スタイリングにも活躍の場を広げている。本誌3月1日発売号のファッション特集では、靴バッグページのスタイリングを担当した。
ジェントルマンの心がけのひとつとして、白シャツをうまく使って、清潔感のある装いを心がけているという井藤成一さん。毎年必ず一着は白シャツを購入するのだそう。着用している白シャツは、コム デ ギャルソン シャツの元企画生産担当者が立ち上げたサンリミットというブランドのもので、昨年購入したとのこと。「年齢を重ねてやっとスタンドカラーが似合うようになりました。スタンドカラーにはストール使いがマストです」という井藤さん、白シャツを主役にブルートーンで爽やかに着こなしています。「素材も非常に上質なので、常に装いの主役として使いたくなるような一着です」
エルメスのコットンスカーフを首もとに合わせた、清涼感のある色合いのコーディネイトです。「コットンのスカーフは、シワや汗を気にせずに使えるところがいいですね」。
白シャツに合わせるインナーの色は、薄いグレーが透けにくくオススメなのだとか。
ラフに合わせられるスタンドカラーのシャツですが、ダブルカフスになっているところもポイント。カジュアルななかにも、エレガントさが漂います。シンプルな白シャツだからこそ、ひとつひとつのディテールが効果的なアクセントとなっています。
サイドの切れ込みが深いものはタックインが基本ですが、ここまで深いとスタイリングのアクセントとなります。タックアウトしていても、たとえばパンツのポケットに手を入れた時でもスタイルが崩れない。
「腿まわりがタイトに作られていますが、非常に動きやすいです」。
デニムパンツはKATO、コインローファーはコールハーンのもの。ベーシックなスタイリングでも、ディテールにこだわったアイテム選びで、とてもオリジナリティのある装いに仕上がっています。