リモートワークが広がって自宅のダイニングチェアやソファで長時間仕事をすることになり、 椅子の重要性をあらためて実感した人も多いのではないだろうか? 家に置くとなると、機能性に優れた一般的なオフィスチェアはインテリアから浮いてしまうのが悩ましいところ。機能や座り心地だけでなく、住空間にも馴染むような美しい椅子を選びたい。
本格的なワークチェアながら、親しみやすい佇まい。
柴田文江がイトーキから発表した「バーテブラ03」は仕事と日常を横断する椅子だ。普通の椅子のように見えて、座面や背面が姿勢に合わせてスムーズに動くため、長時間座っていても疲れにくい。キャスター付きのモデルと一般的な4本脚のモデルがあり、本体のカラーバリエーションに加えて張り地は48種類から選べる。そのため組み合わせは全部で1700 通りを超える。インテリアや好みに合わせた一脚をカスタマイズできるのも楽しい。
イームズ夫妻による、 タイムレスな美しさ。
アルミフレームにレザーを組み合わせたシンプルで上質な椅子は、1958年にチャールズ&レイ・イームズがデザインした名作。その美しさから、いわゆるオフィスチェアを家に置きたくない人にも選ばれてきたオフィスチェアの名作。360°回転し、全14色とカラーバリエーションも豊富に揃う。また写真のほか、ガス圧シリンダーリフトで昇降可能なモデルも。
弾力のあるシートが、 意外なほど身体に馴染む。
マールテン・ヴァン・セーヴェレンがデザインを手がけたシンプルな椅子「ゼロフォー」は、人間工学に基づいた構造だ。座ればその無機質な見た目からは想像できない、ソフトな座り心地に驚くはず。その秘訣は、適度な硬さと弾力のあるポリホウレタン製のシートシェルにある。身体の動きに合わせてしなるため、長時間座っていても疲れにくい。キャスター部分も含めオールブラックのシンプルなベース、シートシェルのカラーは7色から選択が可能だ。
座る方向を決めない、 自由なワークチェア
「360 °チェア」は名の通り、どの方向からでも腰掛けることができる椅子だ。昇降可能なL字シートの背もたれ部分は腹部に当てたり、横座りをしたり、アクティブに仕事をしたい人にぴったり。コンスタンティン・グルチッチが「椅子はもっと自由なものである」をコンセプトに手がけたもので、フットレストに刻まれた度数がデザインのアクセント。彼がマジスから発表している「360°」シリーズにはほかに、コンテナやテーブルも揃う。
ハンドクラフトでつくる、 木製スウィベルチェア
シャルロット・ぺリアンが戦時下のべトナムにおいて、手に入る材料と職人によるハンドクラフトで製作した回転椅子。もとになっているのは、彼女がル・ コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレと共作したメタルフレームの「LC7」だ。メタルが木製フレームになったことで、ぐっと温かみのある雰囲気に。アームと一体になったチューブ状の背もたれは、広範囲に寄りかかることができ、厚い座面の座り心地も快適だ。
イタリアの手仕事が生む、本革製のバランスボール
イタリア・フィレンツェ郊外の老舗革工房の3代目マウリツィオ・カジーニが、自身の背中の痛みを和らげるため、バランスボールに座って仕事をしていたことから本製品が誕生したという。球体をレザーで包むには高度な技術が必要で、最適な革選びから裁断や縫製に至るまで、細やかな配慮と職人技が生きている。インテリアにも美しく溶け込む落ち着いた配色で、反発力がありつつ、下部には重りが入って見た目以上に安定感のある座り心地を叶えている。
自転車のサドルに跨れば、気分もリフレッシュ!
イタリアの巨匠、アッキーレ&ピエール・ジャコモ・ カスティリオーニ兄弟が電話用のスツールとして考案したのが「セラ」。自転車のサドルを半球のベースに取り付けたレディメイドのスツールは、おきあがりこぼしのように不安定だ。快適とは言えないその座り心地で長電話にならないように、という彼らのユーモアが込められている。カジュアルなミーティングやブレストでゆらゆら使えばアイデアや閃きをもたらしてくれるかもしれない。
身体の動きを促し、 集中力を高めてくれる椅子。
ソリ型の脚部に膝当てと座面がついたユニークなシェイプが目を引くバランスチェアは、ノルウェーのピーター・オプスヴィックによるデザイン。背もたれはなくても、膝下を支えて座ることで自然と良い姿勢を保てるように設計されている。身体の動きや深い呼吸を促すことで思考力や集中力を高め、デスクワーク時の前傾姿勢もしっかりサポート。フラットパックで届き、六角レンチ1本で簡単に組み立てられる。