海外の人々にとって日本車は「輸入車」。そもそも自動車に対する価値観も異なる。我々とは違う古い日本車の楽しみ方を、「アメリカ」「イタリア」「イギリス」で探った。
ファミリーで情熱を注ぐ、3台のスポーツカー
クレモナで日産のディーラーを営んでいた「Enzo Rossi srl」。現在はヴィンテージ・アバルトなどの希少なヒストリックカーをはじめ、シェブロンのフォーミュラカー、ヴィンテージのモーターサイクルなどを販売している。オフィスの真ん中に鎮座しているのはピカピカに磨かれた真紅の「ダットサン240Z」だ。
「このクルマは去年、ベルガモで見つけたんだ。新車のときからイタリアにあったクルマで、ナンバープレートも当時のまま。ロッシ家にとって“ニッサン”は特別なブランドだから、迷わず購入した」と兄ミケーレは語る。
兄弟の父、エンツォ・ロッシは、61年にクレモナでフィアットのディーラーをはじめ、いちはやく、日本車の高性能ぶりに気づいた人物。86年にはスペインのエブロ社で生産されたパトロール(日本名:サファリ)を販売。すぐに日産車のすごさに気づき2年後には日産ディーラーになった。
「当時でたばかりのプリメーラはアウディ80より安いのに装備は充実しているし、走りも負けていなかったんだ」。その鮮烈な思い出があるからこそ、兄弟は3台の日本製スポーツカーに特別な想いを抱いている。
こちらの記事は、Vマガジン Vol.02「世界に誇る名ヴィンテージ こんな日本車を知っているか?」特集からの抜粋です。気になった方、ぜひチェックしてみてください。アマゾンで購入はこちらから。