7月15日に発表されたアリアは、日産自動車にとって特別なモデルだ。この新型車から日産の新しいブランドロゴを採用しているのがその証。アリアは、新しい扉を開いて未来に進むという日産の意志を形にしたモデルなのだ。
アリアは100%電気で走るEVで、SUVと乗用車の“いいとこ取り”をしたクロスオーバーというスタイル。このクルマには大きく3つの特徴がある。
まずひとつは、EVとしての性能が大幅に向上していること。日産は、2010年に世界初の量産EVである日産リーフを発表した。日産リーフは約50カ国で累計50万台近くが販売され、総走行距離は50億km以上に達するという。ここで得たノウハウをフルに活用することで、パワフルかつ滑らかに走り、1充電あたりの航続距離も長いアリアが生まれた。
アリアは2WD(前輪駆動)と4WD(e-4ORCE)の仕様があり、それぞれに大小2種類のバッテリーが用意される。バッテリーは65kWhと90kWhの2種類で、90kWhと2WDを組み合わせたモデルなら1回の満充電で最長610kmも走ることができる。また、90kWhと4WDを組み合わせたモデルは、最高速度200km/hを誇る。そしてバッテリーの温度を一定に保つ水冷式温度調整システムを搭載することで充電の性能も大幅にアップ、短い時間で多くの電気を充電できるようになっている。
ふたつめの特徴はインターネットを介して外部とつながる、コネクテッド機能が充実していることだ。たとえばAmazonの音声サービス「Amazon Alexa」を使って、自宅に近づいたときに車内から部屋のエアコンや照明を操作することができる。あるいは、専用のアプリを用いてスマートフォンでドライブの計画を立て、それをアリアに転送することもできる。
最後は、自動運転にまた一歩近づいたことだ。日産スカイラインに搭載され大きな話題となった「プロパイロット2.0」は、高速道路の同一車線内であればハンドルから手を放すハンズオフ走行を可能にしたもの。日産アリアに搭載される「プロパイロット2.0」は、準天頂衛星システムなどからの測位情報を受信することで、自車位置の精度がさらに高まっている。また、日本仕様に備わる「プロパイロット リモート パーキング」という機能は車外からの操作で駐車できるというもので、狭い場所で駐車するときなどに利便性を発揮する。
EVの滑らかな走りを意匠として表現したスタイリングや、物理的なスイッチがほとんど存在しないインテリアなど、デザイン的にも新機軸を打ち出した日産アリア。欧米や中国などグローバルで販売される予定で、まず日本市場から2021年に導入される。実質購入価格は約500万円からとなる見込みで、アリア導入に向けて日産はパートナー企業とともに急速充電器の拡充を進めるという。
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