約1世紀前のデザインを蘇らせた、「プロミネンテ ソロテンポ」の色褪せない魅力。【クエルボ・イ・ソブリノスを探求する】Vol.2

  • 文:並木浩一
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「プロミネンテ ソロテンポ」自動巻、ステンレス・スチール 、ケースサイズ33.75 mm ×52 mm 、パワーリザーブ42 時間 、ブラック文字盤(他にシルバー、シャンパン、 ラム “ギヨシェ” があり)、ルイジアナ アリゲーター革ストラップ、30m防水。¥495,000(税込)

圧倒的なデザインの強度で、人の目を惹きつけてやまない腕時計「プロミネンテ」。1882年創業のクエルボ・イ・ソブリノスが21世紀に復活した当初からの旗艦コレクションである。流行を無視したように見せながら実は、誰よりもファッショナブルであるという離れ業は、1959年のキューバ革命と前後して休眠したブランドの過去と無関係ではない。その時封印された豊富なアーカイブやデザイン画を、40年の不在から呼び戻したからだ。「プロミネンテ」のケースがみせる角形ケースに曲線の段を重ねた、優美なアールデコ・スタイル。ベル・エポック期を思わせる、踊るようにデフォルメされたシフル・ド・パリ(パリ数字)のフォント。それらは復刻でもトリビュートでもなく、クエルボ・イ・ソブリノスの体験そのものである。

ゴールドカラーのアラビア数字インデックスに、ギョーシェ文字盤の中央をマザー・オブ・パールで仕立てたブラック文字盤。まるで20世紀前半が昨日のことであったかのように「プロミネンテ」はつくられ、新作が生み出されていく。

爛熟したアメリカン・デコを彷彿とさせる、華麗なフォルムとデザイン。それを可能にしたのは、ヨーロッパの時計文化をキューバで根付かせたクエルボ・イ・ソブリノスの稀有な体験からだ。1890年代にはパリやドイツのプフォルツハイムに出店をし、スイスに時計製作の拠点をつくった。欧州のデザイン潮流はキューバの本店にダイレクトに伝えられ、その独創的な解釈から生まれた腕時計が大陸を魅了した。その物語がいま、長い中断から再開されている。

「プロミネンテ」はキューバで話されるスペイン語で「卓越した」を意味する。しかし葉巻の愛好家であれば、もうひとつの寓意に気づくだろう。「プロミネンテ」はチャーチル・サイズの葉巻よりもさらに太くて長い、ハバナ葉巻の傑物だ。その名はカリブ海の島国で花開いた時計文化の記憶であり、奇跡的な復活を果たした現在を象徴するのにふさわしいのである。

クエルボ・イ・ソブリノスの腕時計は、他とはまったく異なる状態で納品される。公式のボックスは、ハバナ葉巻を収納する調湿機能を備える本物の“ヒュミドール”。キューバに生まれた腕時計と葉巻、名品同士が交感する粋な仕掛けだ。

クエルボ・イ・ソブリノスでは現在、魅力的なブレスレットキャンペーンを実施中だ。2020年11月10日(火)までの期間中、キャンペーン対象店舗で「プロミネンテ」の対象商品を購入すると、なんと付け替え用のメタルブレスレットがプレゼントされる。対象となるのは「プロミネンテ ソロテンポ(Ref.1012)」「プロミネンテ デュアルタイム(Ref.1124)」の各色モデル。ブレスレットは後日、購入店頭で引き渡される(入荷が遅れる場合あり)。対象店舗はクエルボ・イ・ソブリノスの新しい日本語版WEBサイトでも告知される。

キャンペーンでプレゼントされるのはステンレス・スチール製、観音開きの上質な7連ブレスレット。キャンペーンはブレスレットがなくなり次第終了になるので、チャンスを逃さずに店頭へ。

問い合わせ先/ムラキ TEL:03-3273-0321