始まりの季節には、やはり筆記具を新調したい。ひと口に筆記具と言っても万年筆やシャープペンとさまざまあるが、日常で使う機会が最も多いのは、ボールペンだろう。
手にするだけで少し改まった気持ちになる真鍮のペンや、持ち主の格も上げてくれそうな機能美あふれるペン……。今回は、アンダー1万円で手に入る、見た目も書き心地もワクワクするようなボールペンを紹介する。
ネジで芯を調整する、ユニークなデザイン
キャップ式でもノック式でもない。マットなアルミニウムの本体と真鍮のネジ、そして芯という限りなくシンプルなボールペン「Neri(ネリ)」。モレスキンのクリエイティブ・ディレクターなども担う、イタリア・ミラノを拠点とするインダストリアル・デザイナーのジュリオ・イアケッティによるデザインだ。
アクセントとなっている真鍮のネジは、芯を好みの長さにネジで調整できるだけでなく、デスクから転がり落ちることを防ぐストッパー的な役割も果たす。毎回のネジの調整がちょっと面倒くさそう……と思いきや、片手で調整できる絶妙な配置となっているのでご安心を。
万年筆のような重厚さをもつ、真鍮ボールペン
輝く真鍮の風合い、手にした時の適度な重み。キャップを閉めた状態での、無駄を削ぎ落としたデザインも美しい。「BRASS PEN(ブラスペン)」は、コクヨが手がけるライフスタイルショップ「THINK OF THINGS(シンクオブシングス)」のオリジナル商品。精密機械加工によってディテールまで美しく仕上げられており、まるで万年筆かのような重厚さをもつ。
力の加減によってインクの濃淡や筆跡が出る点も味がある。真鍮ゆえ、長く使うほどに風合いが出てくるペンは、持ち主とともに味わいを増すもの。ぜひ一本は持っておきたい。
特別な時間に使いたい、メイド・イン・台湾モノ
「ystudio(ワイスタジオ)」は、台湾のデザイン会社「物外設計」が手がける文具ライン。剥き出しの真鍮のクラシックシリーズや、付属のサンドペーパーで自分好みに塗装をカスタマイズできる「ブラッシング」シリーズなど、「手書きをする特別な時にふさわしい文具」というテーマでつくられる、真鍮製のペンの人気はヨーロッパへも広まっている。マット加工した樹脂と真鍮とを組み合わせた「レジン」シリーズは、2019年に発売されたモデル。鉛筆のような六角軸のデザインや、ホワイト、ブラック、レッドと真鍮とのコンビネーションは、クラシカルな印象を抱かせる。
ストレスなくスイスイとペンが進む、ローラーボールの書き味も小気味いい。「物」の「外」にある趣を伝えたいという、ブランドの姿勢が反映されたボールペンだ。
多彩な万年筆用インクが、カジュアルに使える。
東京・蔵前にある文具ショップ「カキモリ」のオリジナル商品の中でも、人気が高いのがこのローラーボールペン。万年筆用インク専用のボールペンという、ユニークなシリーズだ。
魅力は、カキモリ顔料インクの色の豊富さ。日常で使いやすい黒やブルーにはもちろん絶妙なバリエーションが揃うが、他にも「HARVEST GOLD」や「LIME SHOCK」「TWINKLE YELLOW」など、ネーミングからして心躍るようなカラーを自由に選ぶことができる。カラフルなインクで文字やイラストを書いていると、懐かしいような、ちょっと童心に帰ったような気持ちになれそうだ。
ラミーの2020年限定カラーは、目にも鮮やかなトルマリン!
1930年の創立以来、世界中でファンを獲得してきたドイツの筆記具メーカー「ラミー」。胴軸にアルミニウムを採用した「ラミーアルスター」は毎年、限定カラーがリリースされている。2020年の限定カラーは「トルマリン」。艶のある鮮やかなブルーグリーンは、目にするたびに気持ちをリフレッシュしてくれそうだ。グラファイトやディープパープルなどの定番カラーに加えて、仲間入りさせたい。
ラミーアルスターのボールペンにはキャップ式もあるが、日常使いにはやはり、片手で取り出してすぐに使えるノック式が便利。ポケットに留めやすい大きなグリップなど、機能美に基づいたデザインはビジネスパーソンの頼れる相棒だ。