【ボタニアム】水やりの管理はおまかせ!室内栽培を実現するプランター
部屋にグリーンがあると心が穏やかになり、すくすくと成長する様子に元気づけられる。ところが「サボテンでさえも枯らしてしまう」という声が多い。水やりの回数は多すぎれば根腐れを引き起こし、少なすぎればもちろん枯れてしまう。植物を育てるのは存外難しいものなのだ。
そんな植物の栽培にまつわる悩みを、IoTの力を借りて解決しようとするスマートなプランターを、これまでもいくつか紹介してきた。今回取り上げるスウェーデン発の自動散水プランター「ボタニアム」は、その中でも格段にシンプルな仕組みで、どんな人にもお薦めできる水耕栽培キットといえるだろう。
キットには土の代わりに使用する人工石のハイドロボールとミネラルベースの液体栄養素が同梱されており、種や苗を用意するだけですぐに栽培が始められる。1Lほどの水に液体栄養素をスポイトで規定量たらせば準備完了。ポンプが一定のタイミングで水を汲み上げて、散水する。ハイドロボールは水、栄養素、空気を豊富に保持し、不要な水をタンク内に戻して再利用させる仕組みとなっているため、約1カ月に1度、水と栄養素を補充するだけで済む。
育てる植物は、頻繁に水やりをする必要があるものが向く。特にお薦めなのは、バジルやオレガノ、ミント、パクチーなどのハーブ類や、唐辛子、イチゴ、トマトなどの野菜や果物だ。毎日の料理に新鮮なハーブを加えたり、実がなる様子を眺め、それを収穫できるなど、いくつもの楽しさを味わえる。ベランダや屋外で育てると虫が付きやすいが、室内での栽培ならばその心配も不要だ。
我が家ではさっそくペパーミントの苗を購入。根の周りの土をきれいに洗い落としてボタニアムに植え替えたのだが、その成長の早さに驚いた。聞けば根に水、栄養素、酸素が常に供給されるため、土壌よりも30~50%も早く育つとのこと。約3時間に一度の散水のタイミングでは散水口から出る五角形の水の流れが美しく、かすかに水の音がして癒やしを届けてくれるのもいい。
スモークホワイト、アッシュグレー、ローレルグリーンといずれもマットな質感の落ち着いた北欧カラーが揃っていて、インテリアに合わせて選べる。中央部がややくびれ、底面が広がったデザインも優しさと安定感を感じさせて美しい。USBアダプターに接続するコードも、ホワイトとブラックの布製の組み紐のようなあしらいに心が躍る。
2017年に誕生して以来、既に世界65カ国で展開されているのも納得できる。今後は大きめの5Lタイプで、LEDを内蔵させた上位モデルも展開予定だと聞く。リモートワークが浸透し、家で過ごす時間が増えたいま、日常の生活にぜひとも取り入れたいアイテムなのだ。
約3時間に一度、静かに水が流れる。植物に吸収されなかった水は再度タンクに戻されるので、根腐れが起きない。