Pen「アマゾン」特集号発売記念、 ヨシダナギさんトークショーを代官山...

Pen「アマゾン」特集号発売記念、 ヨシダナギさんトークショーを代官山 蔦屋書店で開催!

写真&文:Pen編集部

Pen「ヨシダナギ撮り下ろし!最後の秘境、アマゾンへ。」特集号発売記念トークイベントに登場したヨシダナギさん。撮影秘話をたっぷりと語ってくださいました。

真夏の夜、代官山にエキゾティックな風が吹き抜けました。昨年発売のPen「美しいアフリカ」特集号に続き、今度はブラジルのアマゾン川流域にてエネルギッシュな写真を撮り下ろしてきてくれた、ヨシダナギさん。そのビジュアルが巻頭を飾ったPenのアマゾン特集号の発売を記念して、2018年8月初旬、代官山蔦屋書店でトークイベントが行われました。チケットは、発売早々に売り切れ。追加席もすぐに完売という人気ぶり。お決まりの黒いドレスで登場したナギさんは、にこやかに質問に答えてくださいました。

まずは、アマゾンへ関心を抱いたきっかけから。

「見た目も文化も“自分とはまったく違う”ことに強く惹きつけられたアフリカで、少数民族を撮ってきました。でも近年、姿や使う道具などが“自分たちと似ている”のに“やはりどこか違う”アマゾンの先住民族に関心を抱き、彼らを撮りたいと思うようになって。ついに2017年、まずはテレビ番組のロケでアマゾンを訪れました」

そうして、Penのアマゾン特集で撮影をすることが決定。カヤポという先住民族の集落のひとつを訪れました。これが、18年の3月のこと。

「遠かったです! 日本から集落にたどり着くまでが4日半。雨季で道が悪くなっていて、よけいに時間がかかりました」

そうして出会った人々は、どんな人たちだったのでしょうか。

「私が訪れた集落には電気が通っていて、冷凍庫をもっている家もありましたし、台所にはガスコンロ、圧力鍋を備えている家もありました。そういった現代文明の便利さも受け入れる一方で、カヤポの人々は伝統も大事にしています。そのひとつが、ボディペイント。カヤポにまつわる伝統的な図案や、亀、アルマジロ、ヘビといった生物に由来する紋様を、顔や全身に施します。私もこのボディペイントをすることが、撮影許可をいただく上での条件でした」

撮影モデルの中には、印象的な女の子がいました。名前はパィンカラちゃん。彼女を撮ったのが、下の写真です。


伝統的な衣装で、自転車にまたがるカヤポ族のパィンカラちゃん。強いまなざしが印象的な女の子です。PHOTO: NAGI YOSHIDA

ナギさんはパィンカラちゃんをこう評します。

「私が撮影場所のロケハンに出かけると、いつも後を追いかけてくる女の子。人懐っこくて、私が道を間違えそうになると、黙って先を行ってくれる。話しかけると、時折、頷いたり、首をふったり。仲良くなれた――と思うんですけど、私は最後まで、彼女のしゃべり声を聞くことはありませんでした」

パィンカラちゃんをはじめ、撮影には多くのカヤポの若者がモデルとして参加してくれたのですが、一方で、モデルのママたちも「いい仕事」をしてくれた、とナギさん。

「ママたちは、我が子に衣装を着せたり、ボディペイントをしたり。それだけでなく、撮影場所の足元を確認したり、邪魔になりそうな下草を刈ってくれたりもして。いざ撮るという時には、写らない場所にさっと身を隠してくれるなど、本当に協力的でした。まさに“ステージママ”の鑑でしたね」

撮影現場では、ステージママたちが大活躍。スタイリスト兼ヘアメイク兼現場アシスタントと、ひとり何役もこなしてくれました。PHOTO: NAGI YOSHIDA

こうして、カヤポのみなさんと絆を深めていったナギさん。ある日、「ごちそうするから」と言われて出かけていくと、用意されていたのは亀の蒸し焼きでした!

「亀はまず炙り焼きにして、次に内臓を取り除き、温めた石とマンジオカというキャッサバからつくる粉と熱したバナナの葉をくるみ、蒸し焼きにします。肉の食感は鶏肉のよう。それはいいとして……残念ながら、どうにもいただけなかったのが、その心臓ほか内臓や卵を、血とともにマンジオカに混ぜ込んで蒸し焼きにした、『トラディショナル・ピザ』と称する食べ物。酸っぱくて、生臭くて、これはちょっと無理でした……」

こちらが、その「亀のトラディショナル・ピザ」。うーむ、見た目からして、なんだかスゴそうです……。PHOTO: NAGI YOSHIDA

楽しいエピソードが次々と飛び出すうち、あっという間にお開きの時間が。最後に、ナギさんからサプライズのプレゼントがありました。アマゾンでつくられた、アサイーを使った石鹸を3名に、とのことで、ジャンケン大会にて勝者を決めることに。

最後のじゃんけん大会。見事、3名のかたに賞品の石鹸がナギさんからプレゼントされました。

18年8月から9月には、ナギさんの写真展が西武池袋本店をはじめ、広島と名古屋でも開催予定です。このトークイベントをきっかけに、雑誌の誌面やテレビの画面では味わえない、ナギさんの写真のスケールの大きさを感じに足を運んでいただきたい――そうお話しして、楽しいトークイベントは幕を閉じました。ヨシダナギさんの今後の活動に、大いに期待しましょう!


Pen8/15号「ヨシダナギ撮り下ろし!最後の秘境、アマゾンへ。」と、ヨシダナギさんの著書『ヨシダナギの拾われる力』(CCCメディアハウス)は、代官山 蔦屋書店でも絶賛発売中です!

ヨシダナギ

●2009年より単身アフリカへ渡航、以来、独学で写真を学び少数民族を撮り始める。現在は写真を撮りながら講演やコラムで人間の美しさや面白さを伝える活動を行う。写真集に『HEROES』(ライツ社)、著書に『ヨシダナギの拾われる力』(CCCメディアハウス)など。8/1発売のPen「最後の秘境、アマゾンへ。」特集および表紙の撮影を担当。

『ヨシダナギ-HEROES-写真展』開催スケジュール:

2018年8月14日~8月19日 西武池袋本店
同年8月24日~9月3日 そごう広島店
同年9月19日~9月24日 松坂屋名古屋店

※ほか、神戸・大阪・沖縄・町田にてトークイベント開催予定。詳細はインスタグラム(@nagiyoshida)をチェック!

Pen「アマゾン」特集号発売記念、 ヨシダナギさんトークショーを代官山...
Feature Product 3人のクリエイターが語る、新型「Audi A3」から見えてきたデザインの未来
Feature Product 3人のクリエイターが語る、新型「Audi A3」から見えてきたデザインの未来