家飲みの機会が増えた昨今、日本酒のさらなる魅力を追求したい!という人や、日本酒だけだとちょっと飲みにくい、というビギナーのために、日本酒バー「GEM by moto」店主の千葉麻里絵さんが、いま飲むべき銘柄をセレクトし、その“おいしいアレンジ法”を教えてくれた。選んだのは、どぶろくやスパークリング、古酒などジャンルが異なる5本。アレンジした1杯にぴったりのつまみも紹介する。登場する日本酒は、すべて千葉さんがお薦めの日本酒オンラインショップ「IMADEYA ONLINE STORE」で購入可能だ。ちょっとしたアイデアで広がる、日本酒の奥深き世界へ、いざ!
1.「民宿とおの どぶろく 生酛」――どぶろく+トマトジュースで冷製スープが完成。
2.「真澄スパークリングおりがらみ」――粉山椒を加えれば、イタリアンにマッチ
3.「仁井田本家 百年貴醸酒」――貴醸酒×コーヒーは、食後の洋菓子のおともに。
4.「富久長 白麹 シェルラバーズ」――レモンをギュッと搾って、柑橘感をもっと楽しむ。
5.「木戸泉 秘蔵純米古酒 十年」――熟成を経た古酒が、梅酒と出合って和食向けに。
どぶろく+トマトジュースで冷製スープが完成。
民話の里「遠野」にある宿が醸すどぶろくで、その上質な味わいに魅了される日本酒ラヴァーが続出。とはいえイメージ通りどろりとしているし、1本飲みきれるの?と心配する声も聞こえそうだが……。「そんなどぶろくこそ飲み方の宝庫! アレンジでおいしく飲めるだけでなく、なんと料理のひと品にもなるんです。1本でこんなに楽しめるお酒があることをぜひ知ってほしい」と千葉さん。
アレンジその1は炭酸水割りで、割合は1:1。「これが中華料理にぴったり。唐辛子に合うし、口の中の脂を流してくれるし、食欲もかき立ててくれる。暑い日に食べるキムチ鍋との相性も抜群です」。アレンジその2はトマトジュース割りで、割合は同じく1:1。「このアレンジは、クリーム系パスタを食べる時にお薦め。トマトの酸味とコクが料理の味を引き立ててくれます」。さらにトマトジュース割りにもうひと手間加えると、料理のひと品に。「オリーブオイルをひと回しかけ、最後にブラックペッパーを少々。すると冷製スープになりますよ」。どぶろくが上品な前菜に早変わり。酒が新たな酒を呼ぶ、酒好きにはたまらないアレンジだ。
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粉山椒を加えれば、イタリアンにマッチ
爽やかな飲み口で、ハレの日にもふさわしい酒として人気のスパークリング日本酒。真澄の蔵元である宮坂醸造は、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵の技術をいち早く取り入れた蔵元として定評がある。この商品について千葉さんいわく、「日本酒のスパークリングだからこそ表現できるきめ細やかな酸味。飲むと凝縮したリンゴとヨーグルトが見え隠れする、気分が上がる味わいです」
お薦めのアレンジは、お酒を注いだグラスに氷を浮かべて、粉山椒をほんのひとつまみ。「これだけでスーッと爽やかな柑橘の香りを纏った風がグラスの中いっぱいに広がります」。合わせる料理は、イタリアン。なかでもチキンやチーズを使ったサラダなど。「オリーブオイルと塩、バターにマッチする味なんです」。そのまま飲めば、和食に合うスパークリング。ほんのひとつまみの粉山椒で、洋風料理向けに。アレンジの醍醐味がここにある。
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貴醸酒×コーヒーは、食後の洋菓子のおともに。
貴醸酒とは、仕込みの最終段階で水の代わりに日本酒を使って醸した酒のこと。仁井田本家では、前年の貴醸酒を使う。味わいは甘く濃厚だ。「この商品は貴醸酒の中でもおっとりと気品があるタイプ。飲めばフィナンシェのようなしっとり&クリーミーな香ばしさが口に広がります」
リッチな味で優雅な感じさえする酒のアレンジは、百年貴醸酒9に対し、市販のブラックコーヒーを1の割合で加えて。「欲を言えば丸山珈琲のカフェラテベース無糖を使いたいところ。その場合は9.5:0.5の割合で。アレンジが最高に輝く組み合わせです」。飲むシーンは食後のひと時や洋菓子のおともに。「チョコレートやマドレーヌ、ラムレーズン入りアイスがあれば、さらに楽しみが広がりますよ」。わずかなコーヒーフレーバーが、スイーツにしっかりと寄り添ってくれる。
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レモンをギュッと搾って、柑橘感をもっと楽しむ。
今田酒造があるのは、瀬戸内の豊かな恵みを享受できる広島県東広島市。そんな土地柄らしく、牡蠣などの魚介類がよりおいしく楽しめるよう設計されたのがシェルラバーズだ。日本酒づくりには黄麹を使うのが一般的だが、この商品は白麹で醸す。「白麹を使うことで生まれたクエン酸のキュートな酸味、そしてシュワシュワ感が心をくすぐります。牡蠣を食べる時は、レモンを搾る代わりにこの酒を口に含んでほしい」とつくり手の狙いに太鼓判を押す千葉さん。
アレンジは、特長である酸味をさらに際立たせる方向へ。「シェルラバーズに生レモンをギュッと搾るか、ポッカレモンを数滴垂らしてみて。酒の柑橘感を伸ばしてあげるイメージです。すると酸味が加わるというより、味の余韻が長くなる印象に。不思議ですね」。カルパッチョやパエリアなど、力強い味の魚介料理を食べる時は、このアレンジで合わせたい。
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熟成を経た古酒が、梅酒と出合って和食向けに。
酒蔵での長い熟成を経ることで、独特な味にたどり着く古酒。本商品の原料米は山田錦100%で、その純米原酒を10年寝かせたもの。円熟した深みある味わいが、梅酒でアレンジすると新たな表情を見せると千葉さんは言う。
「古酒特有の枯れた風味を大事にしたい人は、グラス1杯のこの酒に対して『庭のうぐいす』の梅酒を数滴お好みで垂らしてみて。すると古酒のよさを残しつつ、なにかが変わるはず。たとえれば、使い込んだ革にツヤ感が出る感じでしょうか」。梅酒をしっかり楽しみたい人は、1:1のオンザロックで。「甘酸っぱくフレッシュな梅酒に古酒をブレンドすることで、濃厚な黒糖梅酒のような大人の味に変わりますよ」。いずれも和食と相性がよく、寿司もよし。「古酒も単体だと料理を選びますが、梅酒と合わせることにより、繊細な和食とマッチするのもこのアレンジのすごさです」。アイデアひとつで、日本酒の幅はグンと広がっていく。
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※今回紹介した日本酒は、「IMADEYA ONLINE STORE」でセットで購入することが可能(単品でも購入可)。